2026/5/22
nippon-post.com
国際

NPT再検討会議、最終文書を採択できず閉会 米イラン対立が影響

要約

ニューヨークの国連本部で開催されていたNPT再検討会議が、濃縮ウランやホルムズ海峡の管理を巡る米国とイランの対立により、最終文書の採択を断念して閉会した。

NPT再検討会議アメリカイラン国連核軍縮

最終文書の採択見送りが決定

ニューヨークの国連本部で開催されていたNPT(核拡散防止条約)再検討会議は、現地時間5月22日(日本時間23日朝)に最終日の会合を開き、最終文書を採択できないまま閉会することが決まった。

International cityscape
※画像はイメージです

採択見送りの主な要因は、米国とイランの間で続いた深刻な対立である。両国は濃縮ウランの取り扱いやホルムズ海峡の管理を巡って意見が折り合わず、合意形成に至らなかった。

核軍縮の枠組みに再び打撃

NPT再検討会議は、核兵器の拡散防止と核軍縮の方向性を議論する国際的な枠組みとして、原則5年ごとに開催されている。最終文書は、加盟国が今後の核軍縮・不拡散に向けた具体的な行動指針を示す重要な文書に位置づけられており、その不採択は核軍縮の国際的な取り組みに影響を及ぼす可能性がある。

過去の再検討会議でも、最終文書の採択に至らなかったケースは複数ある。2005年には核保有国と非保有国の対立で、2022年にはロシアのウクライナ侵攻を巡る対立でそれぞれ採択が見送られた。一方、2010年には核軍縮に向けた行動計画を盛り込んだ最終文書が採択されるなど、国際情勢によって成果は大きく左右されてきた。

米イラン間の溝埋まらず

今回の会議では、米国がイランの核開発問題を厳しく追及する一方、イランも独自の立場を崩さず、両国間の溝は最後まで埋まらなかった。濃縮ウランを巡る問題に加え、ホルムズ海峡の管理という安全保障上の論点も絡み、交渉は複雑化した。

NPTには現在191の国と地域が加盟しており、世界で最も多くの国が参加する条約の一つである。核不拡散、核軍縮、原子力の平和利用の3本柱を掲げるが、核保有国と非保有国の間の認識の隔たりは依然として大きく、今回の結果は核軍縮・不拡散体制が直面する課題の深刻さを改めて浮き彫りにした。