2026/5/20
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国際

米司法省、ラウル・カストロ元議長を起議 30年前の民間機撃墜事件で

要約

1996年にキューバ軍が米民間小型機2機を撃墜した事件をめぐり、米司法省は当時国防相だったラウル・カストロ氏を起訴しました。トランプ大統領が外交解決の可能性に言及する一方で、国務省はキューバ高官への追加制裁を発表し、両国間の緊張が続いています。

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30年前の撃墜事件でカストロ元議長を起訴

アメリカ司法省は2026年5月20日、元キューバ国家評議会議長のラウル・カストロ氏を起訴したと発表した。起訴内容は、約30年前にキューバ軍がアメリカの民間小型機2機を撃墜した事件に関連するものである。カストロ氏は事件当時、キューバの国防相を務めていた。

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※画像はイメージです

撃墜事件は1996年に発生し、亡命キューバ人支援団体「ブラザーズ・トゥー・ザ・レスキュー」に所属する民間小型機2機がキューバ軍によって撃ち落とされた。この事件ではアメリカ国籍を持つ3人を含む計4人が死亡しており、米キューバ関係を大きく悪化させる契機となった。

国務省も制裁発表、圧力を強化

起訴発表に先立つ5月19日には、アメリカ国務省がキューバ政府高官らに対して新たな制裁を科すと発表していた。司法省による起訴と国務省による制裁が相次いで打ち出された形であり、アメリカ政府がキューバに対する圧力を一段と強めている構図が浮かび上がる。

  1. 民間機撃墜事件が発生

    亡命キューバ人支援団体所属の2機がキューバ軍に撃墜され、米国籍3人を含む4人が死亡した。

  2. キューバが攻撃計画を否定

    米軍基地攻撃の計画を協議したという報道に対し、キューバ当局が事実に反すると公式に否定した。

  3. 米国務省が制裁を発表

    キューバ政府高官らに対する新たな制裁を科すことを決定し、外交的圧力を強めた。

  4. 米司法省がカストロ氏を起訴

    30年前の民間機撃墜事件に関連し、当時国防相だったラウル・カストロ氏を正式に起訴した。

トランプ大統領は外交解決に含み

一方、トランプ大統領はキューバとの外交解決について「可能」との認識を示しており、圧力強化と並行して外交的な解決の余地を残す姿勢もうかがえる。

キューバ側は5月18日、「米軍基地攻撃の計画を協議した」という報道を否定している。起訴に至った具体的な証拠や、現在94歳とされるカストロ氏の法的拘束の可能性などについては明らかになっていない。30年の時を経て持ち上がった元国家指導者の起訴は、長年にわたって不安定な状態が続く米キューバ関係に新たな波紋を広げることになりそうだ。