TSMC、2026年1〜3月期純利益58%増で過去最高益 AI半導体需要がけん引
要約
TSMCの2026年1〜3月期決算は売上高・純利益ともに四半期として過去最高を更新し、市場予想も上回った。熊本工場での3ナノメートル品の生産許可取得も明らかになり、日本での事業拡大が加速する見通しだ。
AI需要が追い風、売上高・純利益ともに過去最高
半導体受託生産(ファウンドリー)で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は4月16日、2026年1〜3月期の決算を発表した。売上高は前年同期比35%増の1兆1341億台湾ドル(約5兆6800億円)、純利益は同58%増の5724億台湾ドルとなり、いずれも四半期として過去最高を更新した。
純利益は、QUICK・ファクトセットが集計した市場予測の5408億台湾ドルを大きく上回った。人工知能(AI)向け先端半導体の旺盛な需要が業績を大きくけん引した形だ。TSMCはエヌビディアやアップルといった主要テック企業から製造を受託しており、高性能AI半導体の供給をほぼ一手に担っている。
熊本工場で3ナノメートル品の生産許可を取得
決算と合わせて注目を集めたのが、日本国内での事業展開の加速である。TSMCは2026年3月末、台湾当局から熊本工場において最先端の3ナノメートルプロセスで半導体を生産する許可を取得した。従来の熊本工場の計画では6〜40ナノメートルの製造にとどまっていたが、最先端品の生産が可能になることで、日本における半導体供給体制は大きく変わることになる。
2028年には熊本工場への製造装置搬入および量産開始が計画されている。同日午後3時には経営陣による決算説明会が開催される予定で、熊本工場の今後の計画についても詳細が語られる見通しだ。
AI半導体市場の成長とTSMCの存在感
TSMCの好決算は、AI半導体市場の急拡大を映し出している。エヌビディアのGPU(画像処理半導体)をはじめとするAI向けチップの製造需要は増加の一途をたどっており、TSMCは技術力と生産規模の両面で他社を圧倒する地位を築いている。
3ナノメートル品の生産許可取得
台湾当局から熊本工場での最先端プロセス生産が認められた。従来計画の6〜40ナノメートルから大幅な技術水準の引き上げとなる。
1〜3月期決算発表
純利益5724億台湾ドル(前年同期比58%増)で過去最高益を更新。市場予想も約6%上回った。
熊本工場で3ナノメートル品の量産開始
製造装置の搬入と量産を予定。実現すれば日本国内で最先端半導体の安定供給が可能になる。
世界的なAI投資の拡大が続く中、ファウンドリーとしてのTSMCの存在感は一段と高まっている。今後の決算説明会で示される需要見通しや設備投資計画が、半導体業界全体の方向性を占う材料として注目される。