化学繊維業界団体、ポリエステル繊維など値上げへの理解を取引先に要請
要約
日本化学繊維協会などの業界団体は、イラン情勢に伴うナフサ価格高騰を受け、ポリエステル繊維などの値上げへの理解を取引先に求めた。原材料の安定確保は可能としつつ、急激なコスト増に伴う価格転嫁は避けられないとの認識を示している。
繊維メーカーの業界団体は17日、原材料である石油化学製品を十分に確保し、製品の安定供給はできるとの見解を示した。一方で、原材料価格の高騰を受けたポリエステル繊維などの値上げについて、取引先に理解を求めている。
イラン情勢の影響により、化学繊維の主原料であるナフサの価格が高騰しているほか、資材の費用上昇や入手困難な状況が広がっている。業界団体としては供給体制に問題はないとしながらも、コスト上昇分の製品価格への転嫁は避けられないとの立場である。
中東情勢が波及、医療・住宅分野にも影響
ナフサ価格の高騰は化学繊維にとどまらず、幅広い産業に影響を及ぼしている。公立病院団体は医療用手袋などの値上げについて懸念を表明。高市首相は5月から医療用手袋5000万枚の備蓄放出を表明し、医療現場の負担軽減を図る方針を示した。
赤澤経産相は17日、塗料用シンナーや一部住宅設備の供給にめどがついたと発言し、供給不安の解消に向けた進展を強調した。中東の石油施設などの復旧には最大580億ドルが必要とされる分析もあり、原材料価格の高止まりが長期化する可能性も指摘されている。
ナフサ価格高騰が表面化
イラン情勢の影響により、化学繊維の主原料であるナフサの価格高騰が報じられ、産業界全体に波紋が広がった。
医療用手袋の備蓄放出を表明
石油備蓄放出から1か月が経過したタイミングで、高市首相が5月から医療用手袋5000万枚の備蓄放出を行う方針を表明した。
業界団体が供給体制と値上げ方針を説明
化学繊維業界団体が原材料確保による安定供給を表明。同時に、ポリエステル繊維などの値上げへの理解を取引先に要請した。
医療用手袋の備蓄放出開始
5000万枚の医療用手袋が備蓄から放出される。価格高騰が続く医療現場での調達コスト抑制と安定供給が期待されている。
具体的な値上げ幅は示されず
今回の業界団体の発表では、値上げの具体的な幅や実施時期、対象となる詳細な製品群については明らかにされていない。取引先への理解要請という段階にとどまっており、今後の交渉の行方が注目される。
日本は原油輸入の中東依存度が高く、ナフサの調達先も中東に大きく依存している。イラン情勢の推移次第では、化学繊維のみならず石油化学製品全般にわたるさらなる価格上昇も想定される。政府の備蓄放出や供給確保策がどこまで効果を発揮するか、産業界全体が注視している状況である。