2026/5/22
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経済

ホルムズ海峡通過の原油タンカー「出光丸」、25日に愛知沖到着へ

要約

出光興産の大型原油タンカー「出光丸」が、イラン軍事衝突後にホルムズ海峡を通過した初の日本関係船舶として、サウジアラビア産原油約200万バレルを積み25日に愛知県沖へ到着する見通しとなった。

エネルギー安全保障ホルムズ海峡中東情勢出光興産原油調達

イラン軍事衝突後、初のホルムズ海峡通過

出光興産は22日、同社が保有・運航する大型原油タンカー(VLCC)「出光丸」が、5月25日正午ごろに愛知県沖の荷役施設に到着する見通しであることを明らかにした。イラン軍事衝突の発生後、ホルムズ海峡を通過して日本に帰港する初の原油タンカーとなる。

「出光丸」にはサウジアラビア産の原油約200万バレルが積載されており、愛知製油所で使用される予定である。

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※画像はイメージです

日本のエネルギー供給に直結するホルムズ海峡

ホルムズ海峡は、ペルシャ湾とオマーン湾を結ぶ海上の要衝であり、日本が輸入する原油や液化天然ガス(LNG)の大部分がこの海域を通過する。イラン軍事衝突に伴い、同海峡では航行の安全が懸念される状況が続いており、日本関係船舶の滞留も報告されている。

今回の「出光丸」の通過は、こうした緊迫した情勢の中で実現した例外的な事例である。海峡が長期的に封鎖される事態となれば、原油価格の高騰や日本経済への深刻な打撃が避けられないとの指摘もあり、安定的な原油調達の確保は喫緊の課題となっている。

「日章丸事件」から続く出光興産とイランの縁

出光興産とホルムズ海峡の関わりには歴史的な背景がある。1953年、同社のタンカー「日章丸」がイラン産原油を買い付けた「日章丸事件」は、両国間の友好関係を深める契機となった出来事として知られる。

今回の「出光丸」のホルムズ海峡通過について、駐日イラン大使館はSNSで「両国間の長きにわたる友情の証であり、そのレガシーは今日においても極めて大きな意義を持ち続けています」と投稿しており、70年以上前の歴史的な絆が現在もなお生きていることを示している。