2026/4/3
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国際

ワシントン・ポストCEO辞任、全従業員の3分の1を削減

要約

米紙ワシントン・ポストのウィリアム・ルイスCEO兼発行人が7日に辞任を発表した。4日には全従業員の約3分の1にあたる大規模人員削減を実施したばかりで、スポーツ部門や書籍レビュー部門が完全廃止となった。後任には最高財務責任者のジェフ・ドノフリオ氏がCEO代行として就任する。

米紙ワシントン・ポストのCEO兼発行人ウィリアム・ルイス氏が7日、辞任を発表した。同紙は4日に全従業員の約3分の1にあたる大規模な人員削減を実施したばかりで、元編集主幹のマーティ・バロン氏は「世界最高のニュース組織の一つの歴史における最も暗い日の一つ」と批判している。後任には最高財務責任者のジェフ・ドノフリオ氏が社長兼CEO代行として就任した。

編集部門で300人以上を削減

4日に実施された人員削減では、800人の編集部員のうち300人以上が削減対象となり、削減率は37.5%以上に達した。スポーツ部門と書籍レビュー部門は完全に廃止され、複数の海外支局も閉鎖された。地域デスクは40人以上から約12人へと大幅に縮小された。

同紙の労働組合であるワシントン・ポスト・ギルドによると、過去3年間で計400人が削減されており、今回の人員削減はその規模を大きく上回るものとなった。

購読者離れと財務悪化が背景

ワシントン・ポストは2023年に7,700万ドル、2024年には1億ドルの損失を計上している。紙版購読者数は2025年に55年ぶりに10万人を下回った。さらに、2025年の論説判断をめぐる論争では、数カ月で37万5,000人以上のデジタル購読者がキャンセルし、デジタル購読者の約15%を失った。

AI技術の台頭も影響しており、オーガニック検索経由の読者数は過去3年間でほぼ半減している。

約2年3カ月の在任で幕

ルイス氏は2023年11月に発行人兼CEOに就任し、約2年3カ月の在任となった。辞任通知では「2年間の変革を経て、今が身をひくのに適切な時期だ」と述べた。

同氏は1994年にフィナンシャル・タイムズでビジネス記者としてキャリアをスタートし、2005年にはデイリー・テレグラフの編集長として英国議員の経費スキャンダル報道を指揮、6名の閣僚と下院議長の辞任につながった。2014年から2020年まではダウ・ジョーンズ&カンパニーのCEO兼ウォール・ストリート・ジャーナル発行人を務め、在任中にデジタル購読者数を3倍の200万人以上に拡大した実績を持つ。トランプ大統領とマイケル・コーエン、ストーミー・ダニエルズへの口止め料を暴いた報道でピューリッツァー賞も受賞している。

ドノフリオ氏が暫定トップに

CEO代行に就任したドノフリオ氏は2025年6月にCFOに就任したばかりで、それ以前はGoogle、Yahoo、Tumblr、Raptiveでリーダーシップを発揮してきた。Tumblrでは2013年12月から2022年1月まで、CEO、社長兼COO、CFOなど複数の役職を歴任し、Raptiveでは2022年1月から2025年6月までCFOを務めた。

ワシントン・ポストは2013年、Amazon創業者ジェフ・ベゾス氏が2億5,000万ドルで買収した。ベゾス氏の所有下で一時期は黒字を達成していたが、ここ数年は大幅な赤字が続いている。2026年はメディア業界で大規模な人員削減が続いており、同紙も1月には4%の人員削減を発表していた。