NATO、グリーンランド含む北極圏で警戒・監視活動を開始 米欧の緊張緩和へ
要約
NATOは2月11日、グリーンランドを含む北極圏での警戒・監視活動を開始したと発表した。1月のダボス会議でトランプ大統領がグリーンランド問題をめぐる欧州8カ国への追加関税を撤回したことを受けた取り組みで、各国が個別実施してきた活動をNATOとして統合する。
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NATOが北極圏の統合警戒活動を発表
北大西洋条約機構(NATO)は2026年2月11日、グリーンランドを含む北極圏での警戒・監視活動を開始したと発表した。これまでデンマークなど各加盟国が個別に実施してきた警戒・監視活動をNATOとして統合し、北極圏での演習も行う。
グリンケウィッチNATO欧州連合軍最高司令官は「加盟国を保護し、世界でも最も戦略的に重要かつ環境的に困難な地域で、安定を維持するという決意を強調するものだ」と述べた。
ダボス会議での米欧会談が契機
今回の取り組みは、1月21日にスイスで開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)でのトランプ米大統領とルッテNATO事務総長の会談を踏まえたものである。
トランプ大統領は1月17日、グリーンランドの領有に反対する欧州8カ国に追加関税を課すと表明していた。しかし、ダボス会議でルッテ事務総長と会談した1月21日、欧州8カ国への追加関税を取りやめると発表した。
関税撤回から北極圏活動へ
一連の動きは、グリーンランド問題をめぐる米国と欧州の緊張を緩和する流れの中に位置づけられる。トランプ大統領が関税の脅しを撤回し、NATOが北極圏でのプレゼンス強化に踏み出すことで、同盟内の結束を維持しつつ北極圏の安全保障体制を再構築する形となった。
グリーンランドはデンマークの自治領であり、NATOの加盟国領域に含まれる。NATOとして北極圏の警戒・監視活動を統合的に実施することは、同地域への関与を同盟全体の枠組みで進める姿勢を示すものである。