イスラエル議会、パレスチナ人対象の死刑法案を可決 人権団体は「差別」と非難
要約
イスラエル議会が、イスラエル人をテロ行為で殺害したパレスチナ人に原則として死刑を科す法案を可決した。人権団体などは法案を差別的だとして厳しく批判している。
イスラエルパレスチナ中東情勢人権問題死刑法案
テロ行為によるイスラエル人殺害に死刑を適用
イスラエルの議会(クネセト)は、イスラエル人をテロ行為で殺害したパレスチナ人に対し、原則として死刑を科す法案を可決した。
イスラエルでは1962年以来、死刑が執行されておらず、事実上の死刑停止状態が続いてきた。今回の法案可決は、この長年の運用からの大きな転換となる。
人権団体は「差別」と厳しく非難
法案に対しては、人権団体などから厳しい批判の声が上がっている。人権団体らは法案を「差別だ」として非難している。
批判の焦点は、法案の適用対象がパレスチナ人に限定される構造にある。ヨルダン川西岸地区では、パレスチナ人は軍事裁判所で裁かれる一方、イスラエル市民や入植者は民事裁判所の管轄下に置かれるという二重の司法体系が存在する。人権団体は、こうした制度の下で死刑法案が実質的にパレスチナ人のみを対象とするものになると指摘してきた。
繰り返し浮上してきた政治課題
死刑法案は突発的なものではない。少なくとも2015年ごろから繰り返し議会で議論されてきた経緯がある。2023年にも法案は前進し、その後も極右勢力の主導で推進されてきた。
国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルやヒューマン・ライツ・ウォッチなども、法案が国際人権法や公正な裁判の原則に反するとして懸念を表明している。国連の特別報告者8人も同様の懸念を示してきた。
議会での賛成・反対の票数や、法案の施行時期などの詳細は明らかになっていない。