特殊詐欺・投資詐欺・ロマンス詐欺の被害総額、2025年は過去最悪の3241億円に
要約
2025年の特殊詐欺とSNS型投資詐欺、ロマンス詐欺の被害総額は3241億円に達し、前年の1.6倍となった。特殊詐欺だけで1414億円、3年間で被害額は3.6倍に膨らみ、警察庁は「きわめて深刻で危機的な状況」としている。
被害総額3241億円、前年の1.6倍
警察庁が2026年2月12日に発表した統計によると、2025年に全国で発生した特殊詐欺とSNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の被害総額は計3241億円(暫定値)に達し、前年の1.6倍、過去最悪を更新した。2023年時点で3つの詐欺類型の被害額は計908億円であり、わずか3年間で3.6倍に膨れ上がった計算となる。
警察庁は「きわめて深刻で危機的な状況だ」とし、取り締まりと被害防止の対策に力を入れるとしている。
特殊詐欺は被害額が前年の2倍、ニセ警察詐欺が7割
特殊詐欺の被害件数は2万7758件、被害額は1414億円で前年の2倍となった。1件あたりの被害額は521万円と、前年より171万円増加している。
なかでもニセ警察詐欺の被害額は985億円に上り、特殊詐欺全体の約7割を占める深刻な状況である。
SNS型投資詐欺は1275億円、ユーチューブ経由が前年の21倍
SNS型投資詐欺の被害件数は9538件、被害額は1275億円で前年比46%増だった。1件あたりの被害額は1343万円に達する。被害者のうち40代以下が3分の1を占め、若い世代にも被害が広がっている。
入り口となったSNSはインスタグラムが最多で、次いでユーチューブが多かった。ユーチューブ経由の被害は前年から21倍に急増している。
ロマンス詐欺は552億円、40〜60代が76%
ロマンス詐欺の被害件数は5604件、被害額は552億円で前年比38%増となった。1件あたりの被害額は987万円である。被害者の76%を40〜60代が占めており、マッチングアプリからの被害が3割超、インスタグラムからの被害が2割超を占めた。
警察庁、国際電話遮断アプリや振り込み限度額引き下げで対策へ
急増する被害への対策として、警察庁は今年度内をめどに、国際電話番号からの電話を遮断する機能を備えたアプリを公表する予定である。また、関係省庁と連携し、インターネットバンキングでの振り込み限度額を引き下げる取り組みも進めるとしている。
コロナ禍以降、スマートフォンを通じたSNSの利用やインターネットバンキング決済といった非対面型の新たな生活様式が定着したことが、被害急増の背景の一つとみられている。