2026/4/1
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社会

名古屋主婦殺害から26年、遺族が被告に約3960万円の損害賠償請求訴訟を提起

要約

1999年に名古屋市西区で殺害された高羽奈美子さんの遺族が、昨年逮捕・起訴された安福久美子被告に対し損害賠償を求める民事訴訟を起こした。民法の20年消滅時効を超える請求が焦点となる。

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26年越しの民事訴訟、遺族が損害賠償を請求

1999年に名古屋市西区のアパートで主婦の高羽奈美子さん(当時32歳)が殺害された事件で、夫の悟さんと長男が、殺人罪で起訴された安福久美子被告に対し損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に提起した。悟さんが2026年3月30日に記者会見を開き、提訴を発表した。

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※画像はイメージです

請求額は逸失利益として約3960万円。このほか慰謝料や葬儀費用、賃料なども請求しているとみられる。

「逃げ得」は許されるのか

この訴訟で最大の争点となるのが、民法上の時効の壁である。民法では不法行為から20年が経過すると賠償請求権が消滅すると規定されている。事件は1999年11月13日に発生しており、すでに20年をはるかに超えている。

悟さんは会見で「警察にも協力し、一生懸命犯人を捜してきた。(規定適用は)著しく社会正義に反する」と訴えた。代理人弁護士も「刑事で罰せられるが民事では逃げ得が許される現状は、早急に是正されるべきだ」と指摘し、現行制度の問題点を強調した。

  1. 高羽奈美子さんが殺害される

    名古屋市西区のアパートで首などを刃物で複数回刺され、失血死した。当時32歳だった。

  2. 安福久美子被告が逮捕される

    現場に残された血痕と被告のDNA型が一致し、事件発生から26年を経て愛知県警が逮捕に踏み切った。

  3. 殺人罪で起訴

    名古屋地検が安福久美子被告を殺人罪で起訴。刑事裁判の手続きが本格的に始まった。

  4. 遺族が損害賠償訴訟を提起

    悟さんと長男が民事訴訟を起こし、逸失利益約3960万円などの賠償を求めた。

遺族の26年間と訴訟の意義

安福被告は事件発生から26年以上にわたり逮捕されることなく過ごしていた。2025年10月31日、現場に残された血痕と被告のDNA型が一致したことで逮捕に至り、2026年3月5日に殺人罪で起訴された。

刑事事件については2010年に殺人罪などの公訴時効が廃止されたため訴追が可能となったが、民事上の賠償請求権については20年の消滅期間が残されたままである。悟さんはこの制度上の矛盾に一石を投じる形で提訴に踏み切った。

悟さんは会見で「後に続く方々にも損害賠償の道が開けるよう闘っていきたい。金額の問題ではない」と語り、同様の境遇にある遺族のためにも闘う決意を示した。悟さんは殺人被害者遺族でつくる団体「宙の会」にも所属している。

本訴訟は、長期未解決事件の被害者遺族が民事上の救済を受けられるかどうかを問う、先例的な意味を持つ裁判となる。