2026/4/1
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国際

ゼレンスキー大統領、冬季五輪で失格のヘラスケビッチを称賛「勇気はメダルより価値がある」

要約

ウクライナのスケルトン代表ヘラスケビッチが戦死アスリート追悼のヘルメット着用を貫き失格処分に。ゼレンスキー大統領は「彼の行動を誇りに思う」と支持を表明した。

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ウクライナのゼレンスキー大統領は12日、通信アプリに投稿し、冬季五輪で失格処分を受けたウクライナ代表のヘラスケビッチについて「彼の行動を誇りに思う。勇気を持つことはメダル獲得よりも価値がある」と称賛した。

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※画像はイメージです

ヘラスケビッチはミラノ・コルティナ2026冬季五輪のスケルトン男子ウクライナ代表で、開会式では旗手も務めた27歳の選手だ。戦死したウクライナ人アスリート24人の肖像画が描かれたヘルメットを着用して競技に臨むことを主張し続け、失格処分となった。

IOCガイドライン違反と追悼の衝突

ヘラスケビッチの失格は、オリンピック憲章第50条に基づくIOCのガイドライン違反が理由とされる。同条項は競技会場でのあらゆる政治的・宗教的・人種的な宣伝行為を禁じている。IOC側はヘラスケビッチに対し、黒い腕章の着用という代替案を提示し、競技の前後や記者会見での哀悼表現は認められると説明していたが、ヘラスケビッチはヘルメット着用の姿勢を崩さなかった。

ヘラスケビッチは2022年北京五輪の際にも「ウクライナでの戦争はやめて」というメッセージを掲げた経歴を持つ選手として知られている。

ゼレンスキー氏の発信が持つ意味

ゼレンスキー大統領がヘラスケビッチを公に称えたことで、戦死したアスリートへの追悼表現をIOCが「政治的宣伝」として扱うことへの批判が改めて浮き彫りとなった。2022年2月のロシアによる全面侵攻以降、ウクライナでは2024年までに52人のアスリートが戦闘で命を落としており、国際スポーツの舞台における追悼と競技規則の線引きが問われ続けている。

ヘラスケビッチの行動に対しては国内外のアスリートから支持の声が上がっており、メダルの機会を犠牲にしてでも同胞への追悼を貫いた姿勢が大きな反響を呼んでいる。