エア・ウォーター、最終赤字100億円に転落へ 不適切会計の影響額は従来の8倍超に拡大
要約
産業ガス大手のエア・ウォーターが2026年3月期業績予想を630億円下方修正し、最終赤字100億円の見通しを発表。不適切会計の影響額が従来の4社25億円から37社209億円へと急拡大したことが主因。
黒字予想から一転、100億円の最終赤字へ
産業ガス大手のエア・ウォーターは13日、2026年3月期の連結最終損益(国際会計基準)が100億円の赤字になる見通しだと発表した。従来予想は530億円の黒字だったが、630億円の大幅な下方修正となる。前期は377億円の黒字だった。
海外事業ののれんによる減損損失の計上に加え、不適切会計に関する調査費用が大幅に増加したことが主な要因だ。売上収益は1兆1150億円で従来予想を据え置いたが、営業利益は700億円引き下げて140億円(前期比77%減)とした。
同日発表した2025年4〜9月期の連結決算は、最終損益が211億円の赤字(前年同期は171億円の黒字)だった。売上収益は5166億円で2%増となったものの、損失先送りや過大な在庫の計上などの不適切な会計処理が業績を大きく押し下げた。
不適切会計、37社209億円に急拡大
弁護士ら外部の専門家で構成する特別調査委員会の調べにより、不適切な会計処理の影響額が大幅に拡大した。エア・ウォーター本体とグループ計37社で、2020年3月期から2025年3月期にかけて営業利益ベースで209億円のマイナスが確認された。従来は4社で25億円としていたが、対象企業数は約9倍、影響額は約8倍に膨らんだ。
特別調査委員会の調査は2026年3月末ごろに完了する見通しで、影響額がさらに拡大する可能性も残されている。
社長が陳謝「ガバナンスの欠如が重なった」
松林良祐社長は13日に大阪市内で開いた記者会見で、「強いトップダウンのガバナンスや会計リテラシーの欠如が重なり合った結果だ」と不適切会計の原因を説明した。さらに「不正が看過したことを深く受け止めている。深くおわび申し上げる」と陳謝した。
経営責任をめぐっては、2025年12月に豊田喜久夫会長兼最高経営責任者(CEO)が辞任している。
不適切会計の影響期間
損失先送りや過大な在庫計上が本体含むグループ37社で常態化。営業利益ベースで計209億円のマイナスが生じていた。
豊田会長兼CEOが辞任
不適切会計問題が拡大する中、代表取締役・会長兼CEOの職を退き、コンサルタント職に転換した。
業績予想の大幅下方修正を発表
最終損益を530億円の黒字から100億円の赤字に630億円下方修正。不適切会計の影響額も25億円から209億円に拡大が判明した。
特別調査委員会の調査完了予定
外部専門家による調査の最終報告が取りまとめられる見通し。影響額のさらなる拡大の可能性も残る。