広島地検の29歳検事自殺、国が1億9400万円の解決金で遺族と和解
要約
広島地方検察庁に勤務していた29歳の検事が自殺した問題で、遺族が国を訴えた裁判が和解で決着した。国側は上司の対応が不適切だったと認め、解決金を支払う。
パワハラ労働問題損害賠償裁判
国が上司の不適切対応を認め和解成立
広島地方検察庁に勤務していた29歳の検事が自殺した問題をめぐり、遺族が国を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で和解が成立した。国側が解決金として1億9400万円を支払うことで合意に至った。
和解にあたり、国側は上司の対応が不適切であったことを認めた。遺族側は、検事が長時間労働やパワーハラスメントにさらされていたと主張していた。
パワハラと過重労働が背景に
背景には、検察組織における深刻な労働環境の問題がある。亡くなった検事は広島地検の公判部に所属し、過重な業務を抱えていたとされる。2019年12月には、上司にあたる次席検事から大声での叱責を受けるなどのパワーハラスメント行為があったとされ、同月に命を絶った。
法務省は2023年9月、過重労働が自死の原因であるとして公務災害に認定していた。今回の和解では、国が組織としての責任を事実上認めた形となる。
検察官の労働環境に課題
検察官は慢性的な人手不足の中で業務量が増加する傾向にあり、個々の検察官にかかる負担は大きい。法を司る組織の内部で起きた今回の悲劇は、公務員の職場環境改善の必要性を改めて突きつけている。
パワーハラスメント自殺に対する賠償額としては、1億9400万円は高額な水準にあたる。29歳という若さで将来を絶たれた逸失利益が大きく反映されたものとみられる。