中国で春節の大型連休開始、渡航自粛呼びかけで訪日客減少の見通し
要約
中国で春節の大型連休が2月15日から始まったが、中国政府による日本への渡航自粛呼びかけが続いており、年間最大の旅行シーズンにもかかわらず訪日中国人旅行者は減少する見通しだ。
春節連休が開始、渡航自粛の影響が焦点に
中国で旧正月にあたる春節の大型連休が2026年2月15日から始まった。中国にとって1年で最大の旅行シーズンとなるが、中国政府が日本への渡航自粛を呼びかけていることから、日本を訪れる中国人旅行者は減少する見通しだ。
渡航自粛呼びかけの経緯
中国政府による日本への渡航自粛呼びかけは、日中関係の悪化を背景としたものである。2025年11月、高市早苗首相が衆議院予算委員会で台湾有事に関する踏み込んだ発言を行ったことに対し、中国側が強く反発。同月14日に中国外務省が日本への渡航自粛を呼びかけたほか、日本からの水産物輸入禁止などの対抗措置が段階的に講じられてきた。
こうした一連の動きは、春節という中国最大の旅行シーズンと重なる形で、訪日中国人旅行者の減少につながっている。
訪日中国人市場への打撃
2025年の訪日中国人数は約909万6,300人で前年比30.3%増と好調だったが、渡航自粛呼びかけ後の2025年12月には前年同月比45%減に急落した。中国系航空会社は2月から3月の日本路線を60.5%減便しており、春節期間中の訪日客数にも大きな影響が予想される。
訪日中国人の旅行消費額は2025年に2兆26億円で、訪日外国人全体の消費額の21.2%を占める世界最大の市場である。1人当たりの消費額も24万6,154円と全市場平均を上回っており、その減少が日本の観光業界に与える影響は小さくない。日本経済全体への損失額は約1.79兆円、GDPを0.29%押し下げる可能性があるとの分析もある。
個人客の動向に注目
一方で、渡航自粛の実効性には不透明な部分も残る。団体ツアーのキャンセルが相次ぐ一方、ホテル予約が中国発で57%増となるなど、個人客の需要は堅調だとする見方もある。春節時期の訪日客が「6割増」になるとの予測もあり、政府の呼びかけが実態にどこまで影響するかは見極めが必要だ。
中国の市民の間でも反応は分かれており、「政府の呼びかけは気にしない」という声がある一方、「このタイミングで日本に行く必要はない」と旅行を取りやめた人もいるとされる。
春節期間中の実際の訪日客数がどの程度となるか、今後発表される統計データが注目される。