2026/4/1
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社会

箏曲家・沢井一恵さん死去、85歳 現代邦楽の地平を切り開く

要約

8歳で宮城道雄に師事し、夫の忠夫さんと沢井箏曲院を設立。国内外の若手アーティストらとの共演を重ね、伝統楽器・箏の可能性を広げた85年の生涯だった。

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箏曲家の沢井一恵(さわい・かずえ)さんが2月15日、肺炎のため死去した。85歳だった。告別式は20日午前10時半から東京都目黒区下目黒3の19の1の羅漢会館で営まれる。喪主は長男の比河流(ひかる)さん。

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※画像はイメージです

宮城道雄に8歳で師事

沢井さんは8歳から箏曲家・作曲家の宮城道雄に師事し、箏の道に入った。東京芸術大学音楽学部を卒業後、古典から現代音楽まで幅広い領域で演奏活動を展開。国内外の若手アーティストらと共演を重ね、現代邦楽の分野で活躍した。

夫と共に沢井箏曲院を設立

1979年には夫の沢井忠夫さんと共に「沢井箏曲院」を設立。箏曲の普及と次世代の演奏者育成に取り組んだ。沢井箏曲院は伝統的な家元制度とは異なる教育的・実践的な組織として、箏曲界に新たな道筋を示した。

  1. 宮城道雄に師事

    箏曲家・作曲家として知られる宮城道雄のもとで箏の修練を始め、演奏家としての基礎を築いた

  2. 東京芸術大学音楽学部を卒業

    音楽の専門教育を受け、古典から現代音楽まで幅広い演奏活動へと進んだ

  3. 沢井箏曲院を設立

    夫の沢井忠夫さんと共同で設立。家元制度に替わる新たな組織モデルとして箏曲の普及・教育に尽力した

  4. 肺炎のため死去

    85歳。伝統と革新を行き来しながら箏の可能性を追求し続けた生涯を閉じた

伝統と革新の架け橋

沢井さんの活動は、師である宮城道雄が推進した「新日本音楽」の精神を受け継ぎつつ、さらに現代の音楽表現へと箏の領域を広げるものであった。国境やジャンルを越えた共演を通じ、日本の伝統楽器が持つ表現力を国内外に示した功績は大きい。