2026/4/1
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国内

原発テロ対策施設の設置期限、規制委が見直し方針 12基中11基が遅延

要約

原子力規制委員会は2月18日、完成済み12基のうち期限内に間に合ったのはわずか1基だった現状を踏まえ、設置期限の起点を「運転開始から」に変更する案を軸に検討を進める方針を決めた。

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規制委、制度の見直しが必要と判断

原子力規制委員会は2月18日の定例会で、原発のテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」の設置期限を見直す方針を決めた。現行制度では原発本体の工事計画認可から5年以内の設置が義務づけられており、期限を超過した原発は運転できなくなる。規制委は制度自体の見直しが必要と判断し、今後、起点を「工事計画認可から」ではなく「運転開始から」に変更する案を軸に検討を進める。

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※画像はイメージです

12基中11基が期限超過、業界の延長要求は退ける

これまでにテロ対策施設が完成した原発は12基あるが、設置期限に間に合ったのはわずか1基にとどまる。残る11基は約1年の遅延が生じていた。

昨年10月には原子力の業界団体が、建設業界の労働力不足を理由に期限を現行の5年から8年に延長するよう規制委に申し入れていた。これを受け、規制委は期限延長の検討を開始していた。

しかし18日の定例会で、規制委は「建設業界の労働環境の変化を理由とした期限の延長は認められない」との見解で一致。業界側が求めた形での延長は退けられた。

起点の変更で実質的な猶予拡大へ

規制委は業界の要求を退ける一方で、制度そのものの見直しには踏み込んだ。今後の検討の軸となるのは、設置期限の起点を「工事計画認可から5年以内」から「運転開始から5年以内」に変更する案だ。工事計画の認可から運転開始までには一定の期間を要するため、起点が後ろにずれることで、事実上の猶予期間が拡大することになる。

  1. 業界団体が期限延長を申し入れ

    建設業界の労働力不足を理由に、設置期限を5年から8年に延長するよう規制委へ要請した

  2. 規制委が検討を開始

    業界からの申し入れを受け、テロ対策施設の設置期限延長について議論を始めた

  3. 規制委が見直し方針を決定

    労働環境を理由とした延長は不可とする一方、起点を運転開始からとする制度変更を検討する方針を示した

現行制度では、完成済み12基のうち11基が期限を守れなかった実態がある。規制委としては、業界の都合による期限の引き延ばしには応じない姿勢を示しつつも、制度設計そのものに課題があるとの認識を示した形だ。具体的な制度変更の時期や手続きについては、今後の検討に委ねられている。