2026/4/1
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国内

最高裁が旧警備業法の欠格条項を違憲と判断、成年後見利用で一律排除は戦後14例目

要約

軽度の知的障害を持つ30代男性が保佐人を付けたことで警備員を退職させられた事案で、最高裁大法廷が欠格条項の違憲性を認めた。ただし国への賠償請求は退けられた。

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最高裁大法廷、欠格条項を違憲と判断

最高裁大法廷(裁判官15人)は18日、成年後見制度の利用者が警備業に就くことを一律に禁じた旧警備業法の欠格条項について、違憲とする判断を示した。最高裁が法令の規定を違憲と判断するのは戦後14例目となる。

一方、最高裁は国に対する損害賠償請求については認めず、1審・2審で国に賠償を命じた判決を覆した。

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※画像はイメージです

保佐人を付けたことで退職を余儀なくされた男性

この裁判は、岐阜県で警備員として勤務していた30代の男性が起こしたものである。男性は軽度の知的障害があり、財産管理のために成年後見制度の「保佐人」を付けた。しかし2017年、当時の警備業法が定めていた欠格条項に該当するとして退職を余儀なくされた。

男性はその後、国に損害賠償を求めて提訴。1審の岐阜地裁、2審の名古屋高裁はいずれも欠格条項を違憲と判断し、国に賠償を命じていた。これに対し国側が上告し、最高裁での審理に至った。

  1. 男性が退職を余儀なくされる

    保佐人を付けたことで旧警備業法の欠格条項に該当し、警備員の職を失った

  2. 警備業法改正で欠格条項削除

    成年後見制度の利用者を一律に排除する規定が法改正により撤廃された

  3. 岐阜地裁・名古屋高裁が違憲判決

    いずれも欠格条項を違憲とし、国に損害賠償を命じる判決を下した

  4. 最高裁大法廷が判断

    欠格条項を違憲と認定した一方、国への賠償請求は退けた

欠格条項は2019年に削除済み

問題となった警備業法の欠格条項は、2019年の法改正により既に削除されている。この改正は、成年後見制度の利用者を職業から一律に排除する規定を見直す全国的な動きの一環として行われたものである。

今回の最高裁判断は、既に廃止された旧規定に対するものだが、成年後見制度の利用を理由とした職業上の権利制限のあり方について、最高裁が憲法判断を示した点で大きな意義を持つ。戦後14例目となる違憲判断は、障害のある人の職業選択の自由をめぐる司法の姿勢を示すものとなった。