紛失防止タグでストーカー行為、改正法施行後の全国初摘発 兵庫県警
要約
兵庫県警が女性の自転車に紛失防止タグを取り付けて位置情報を取得していた男を追送検した。昨年の法改正で規制対象となった同種事案での摘発は全国で初めてとなる。
改正法で新たに規制、初の立件
兵庫県警は18日、女性へのストーカー規制法違反容疑で逮捕していた男を追送検した。男は女性の自転車に紛失防止タグを張り付け、スマートフォンを通じて位置情報を取得していた疑いが持たれている。
紛失防止タグを使った位置情報の取得は、昨年のストーカー規制法改正により新たに規制対象に加えられた行為である。警察庁によると、改正法のもとで同種の事案が摘発されたのは全国で初めてとなる。
法改正の背景に被害相談の急増
紛失防止タグは本来、鍵や財布などの紛失物を探すための小型機器だが、他人の持ち物や車両にひそかに取り付けることで、相手の居場所を把握する手段として悪用されるケースが問題化していた。
従来のストーカー規制法ではGPS機器を使った位置情報の取得は規制されていたものの、紛失防止タグは仕組みが異なるため規制の対象外とされていた。こうした「法の抜け穴」を塞ぐ形で、昨年の法改正により、相手の承諾なく紛失防止タグを取り付けて位置情報を取得する行為が規制対象に追加された。
警察庁のデータでは、紛失防止タグの悪用に関する相談件数は2021年の3件から2024年には370件へと急増しており、被害の広がりが法改正を後押しした。
全国初摘発の意味
今回の事件は、改正法が実効性を持って運用され始めたことを示す最初の事例となった。改正法では紛失防止タグの規制に加え、被害者の申し出がなくても警察が職権で警告を出せる仕組みの新設や、被害者の勤務先・学校に対する支援の努力義務なども盛り込まれている。
デジタル機器の普及に伴い変化するストーカー犯罪の手口に対し、法整備と捜査体制がどこまで追いつけるか、今後の運用が注目される。