2026/4/1
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社会

オウム松本元死刑囚の遺骨訴訟、国が上告受理を申し立て

要約

一審・二審ともに次女への引き渡しを命じられた国が18日付で最高裁に判断を委ねた。遺骨の帰属先は2021年に次女と確定しているが、国は後継団体による悪用を懸念し引き渡しを拒み続けている。

オウム真理教最高裁法務省裁判

国が上告受理を申し立て

オウム真理教の元代表・松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚の遺骨や遺髪の引き渡しをめぐる訴訟で、国が18日付で上告受理を申し立てたことが19日に明らかになった。東京高裁が2月5日に一審に続いて引き渡しを命じる判決を出したことに対し、国側が不服として最高裁の判断を求めた形である。

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※画像はイメージです

この訴訟は、松本元死刑囚の次女が国に対し、遺骨や遺髪の引き渡しを求めて2022年10月に起こしたもの。遺骨などの帰属先は2021年7月に最高裁で次女と確定していたが、その後の国との引き渡し交渉が進まなかったため、次女が提訴に踏み切った。

一審・二審ともに次女の請求を認める

2024年3月の一審・東京地裁判決は、次女への遺骨の引き渡しを命じた。国側はこれを不服として控訴したが、東京高裁も一審判決を支持し、国の控訴を退けた。

東京高裁は、次女の請求について「親族として悼むことが目的」であるとし、「権利乱用とは言えない」と判断した。

国側は「犯罪の危険性」を主張

国側は訴訟を通じて、「遺骨などが後継団体に利用されれば犯罪の危険性が高まる」と主張してきた。しかし、一審・二審の裁判所はいずれもこの主張を退けている。

  1. 松本元死刑囚の刑執行

    オウム真理教の元代表・松本智津夫元死刑囚の死刑が執行された。執行時は63歳だった。

  2. 最高裁で帰属先が確定

    遺骨などの帰属先が次女であると最高裁で確定した。しかし国側は後継団体による悪用を懸念し、引き渡し交渉は難航した。

  3. 次女が国を提訴

    引き渡し交渉が進展しないことを受け、次女が国に対して遺骨・遺髪の引き渡しを求めて訴訟を起こした。

  4. 一審で引き渡し命令

    東京地裁が次女への遺骨引き渡しを命じる判決を出した。国側は「権利乱用」などを理由にこれを不服として控訴した。

  5. 二審も引き渡し命令

    東京高裁が一審を支持し、国の控訴を棄却。次女の請求は「親族として悼むことが目的」で「権利乱用とは言えない」と判断した。

  6. 国が上告受理を申し立て

    国が東京高裁の判決を不服とし、最高裁に上告受理を申し立てた。上告受理が認められれば、最終的な判断は最高裁に委ねられることになる。

最高裁で帰属先が確定してから4年半以上が経過してもなお、遺骨は国に保管されたままとなっている。上告受理が認められれば、最終的な判断は最高裁に委ねられることになる。