2026/4/1
nippon-post.com
国際

韓国・尹錫悦前大統領に無期懲役判決 内乱首謀罪でソウル中央地裁

要約

韓国のソウル中央地裁は、内乱首謀罪に問われた尹錫悦前大統領に無期懲役の判決を言い渡した。検察は死刑を求刑していたが、裁判所はこれを退けた。

内乱罪尹錫悦朝鮮半島情勢裁判韓国

検察求刑の死刑は退けられる

韓国のソウル中央地裁は、内乱首謀罪に問われた前大統領の尹錫悦(ユン・ソンニョル)被告に対し、無期懲役の判決を言い渡した。検察側は死刑を求刑していたが、裁判所はこれを退けた形となる。

Seoul courtroom, South Korean courthouse, gavel judge bench, presidential impeachment trial, Seoul Central District Court
※画像はイメージです

2024年12月の非常戒厳が発端

事件の発端は2024年12月3日、尹大統領(当時)が突如として非常戒厳を宣言し、軍兵力を国会に投入したことにある。国会議員の政治活動禁止や言論統制などが布告されたが、野党の反発と国会の全会一致による解除決議を受け、わずか6時間で撤回された。

尹氏側は、野党・共に民主党による相次ぐ弾劾訴追や予算削減により国家運営が麻痺していたと主張していた。しかし憲法裁判所は2025年4月、政治的対立を理由とした戒厳令の発令は正当性を欠くとして、判事8人全員一致で尹氏の大統領罷免を決定していた。

韓国の歴代大統領と司法判断

韓国では歴代大統領が退任後に法的追及を受ける事例が繰り返されてきた。1996年には全斗煥元大統領が粛軍クーデターなどで死刑判決(のちに無期懲役に減刑)、盧泰愚元大統領が懲役22年6月(のちに懲役17年に減刑)をそれぞれ言い渡されている。

今回の尹氏の裁判は、1987年の民主化宣言以降、現職大統領による非常戒厳宣言が内乱罪として裁かれた初のケースであり、韓国司法史に新たな一頁を刻むこととなった。なお、韓国では1997年を最後に死刑が執行されておらず、今回も極刑は回避された。