2026/4/1
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国際

韓国・尹錫悦前大統領に無期懲役判決 内乱首謀罪で1審

要約

ソウル中央地裁は、韓国の尹錫悦前大統領に対し、内乱首謀罪を巡る1審判決として無期懲役を言い渡した。2024年12月の非常戒厳宣言を巡る一連の事件で起訴されていた。

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ソウル中央地裁が判決

ソウル中央地裁は、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領に対し、内乱首謀罪を巡る1審判決として無期懲役を言い渡した。

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※画像はイメージです

尹前大統領は2024年12月3日に非常戒厳を宣言。国会議員の政治活動禁止や報道統制などを含む措置だったが、国会が戒厳解除を決議し、数時間で撤回に追い込まれた。その後、内乱首謀の容疑で逮捕・起訴され、裁判が進められていた。

戒厳令宣言の経緯

尹前大統領が戒厳令に踏み切った背景には、野党「共に民主党」が多数を占める国会とのねじれがあった。野党側による相次ぐ弾劾訴追や予算案審議の停滞により、政権運営は困難を極めていた。尹前大統領は戒厳宣言にあたり、中央選挙管理委員会への軍派遣やサーバー捜索を計画していたとされる。

しかし、戒厳令に対しては市民が国会周辺に集結して抵抗。1980年代の民主化闘争の記憶が呼び起こされ、大規模な反対運動に発展した。国会が速やかに解除決議を可決したことで、戒厳は短時間で撤回された。

韓国歴代大統領と司法の歴史

韓国では歴代大統領が退任後に刑事訴追を受ける事例が繰り返されてきた。1980年のクーデターと光州事件を主導した全斗煥元大統領は内乱罪で1審死刑判決を受けた後、控訴審で無期懲役が確定。盧泰愚元大統領も同様に内乱罪で懲役17年が確定している。両者はその後、金泳三大統領の恩赦により釈放された。

尹前大統領への無期懲役判決は、全斗煥元大統領の事例から約30年を経て再び内乱罪による重い量刑が示されたものであり、韓国政治における権力交替と司法による清算の構図が改めて浮き彫りとなった。今後、被告側の控訴など上級審での審理が注目される。