2026/4/1
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社会

保護司殺害事件、大津地裁が被告に無期懲役の判決

要約

保護観察中の男が面接先の保護司を殺害した事件で、大津地方裁判所は無期懲役を言い渡した。保護司が保護観察対象者に殺害されたのは1964年以来62年ぶりで、事件は更生保護制度の安全対策に大きな課題を突きつけた。

保護司制度再犯防止刑事裁判殺人事件滋賀県

大津地裁、無期懲役を宣告

保護司の男性を殺害した罪に問われた男に対し、大津地方裁判所は2026年3月2日、無期懲役の判決を言い渡した。

事件は2024年5月、滋賀県大津市で発生した。被害者はレストランを経営しながら25年以上にわたり保護司として活動していた新庄博志さん(当時60歳)。被告の飯塚紘平被告(36歳)は強盗罪で保護観察中の身であり、自宅での面接中に新庄さんを斧やナイフで殺害した。

保護観察中の対象者が保護司を殺害する事件は、1964年以来62年ぶりという極めて異例の事案であった。

制度の安全対策に課題

事件は、更生保護制度における安全対策の不備を浮き彫りにした。保護司は法務大臣から委嘱される非常勤の国家公務員でありながら無報酬のボランティアであり、面接は対象者の自宅で行われることも多かった。危険性の高い対象者との対面時における安全確保が十分でなかったことが、事件後に改めて問題視された。

法務省の調査では、事件後に約1,480人の保護司が業務上の不安を報告している。

事件を受けた法改正

この事件を契機に、2025年12月には更生保護関連法が改正された。安全な面接環境の整備が「国の責務」と明記され、公共施設での面接実施が推奨されるようになった。保護司の任期は2年から3年に延長され、採用についても個人の人間関係に頼る方式から保護観察所長が責任を担う仕組みへと転換された。

全国の保護司は約46,000人で、80%以上が60歳以上という高齢化が進んでいる。新規候補者からの採用拒否率は84.7%に達しており、民間ボランティア頼みの更生保護制度そのものの持続可能性が問われている。

判決を受け、今後被告側が控訴するかどうかが注目される。