2026/4/1
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社会

野村証券元社員に懲役18年、顧客宅から2600万円強奪し放火

要約

広島地裁は裁判員裁判で、80代女性の顧客宅から現金約2600万円を盗み放火したとして強盗殺人未遂罪などに問われた元野村証券社員に懲役18年の判決を言い渡した。被告は顧客の信頼を悪用した「信頼裏切り悪質」な犯行として厳しく非難されている。

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「信頼裏切り悪質」裁判長が厳しく非難

広島地裁は3日、顧客の80代女性宅から現金約2600万円を盗み、放火したとして強盗殺人未遂罪などに問われた元野村証券社員・梶原優星被告(30)=神奈川県葉山町=に対し、懲役18年(求刑懲役20年)の判決を言い渡した。裁判員裁判で審理された本件で、弁護側は無罪を主張していたが、角谷比呂美裁判長はこれを退けた。

角谷裁判長は判決理由で「炎や充満した煙などにより、死亡させる危険性が高いことは明らか」と述べ、強盗殺人未遂罪の成立を認定。さらに「あまりに短絡的で身勝手。大手証券会社の営業担当者として、顧客の財産状況を把握し、自宅などに出入りできる立場を利用し、顧客の信頼を裏切った点も悪質」と厳しく非難した。

睡眠薬入り酒を飲ませ犯行に及ぶ

判決によると、梶原被告は2024年7月22日から24日にかけて、広島市西区の顧客宅から約800万円を窃取。同月28日にはさらに睡眠薬入りアルコールを被害者に飲ませたうえで約1800万円を盗み、寝室に放火した。被害者の80代女性は無事だった。

梶原被告は投機性の高いバイナリーオプション取引で多額の損失を抱えていたとされる。野村証券の営業担当者として顧客の資産状況を把握し、自宅を訪問できる立場にあったことが犯行を可能にした。

野村証券が謝罪、再発防止策を実施

野村証券は「被害にあわれたお客様および関係するすべての皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしていることを深くおわびします。お客様の大切な資産をお預かりする金融機関として二度とあってはならないと、重く受け止めています」とコメントした。

同社は事件を受け、従業員の顧客宅訪問に対する事前承認ルールの導入や行動監視の強化、コンプライアンス研修の拡充、不正検知を目的とした休暇取得ルールの改変といった再発防止策を実施。役員10人が報酬の一部を返上する処分も行われている。