トランプ大統領、ペルシャ湾航行船舶への保険提供をDFCに命令
要約
米国際開発金融公社に対し、ペルシャ湾を航行する船会社へ適正価格の保険を提供するよう指示。イエメンのフーシ派による攻撃で戦争リスク保険料が急騰し、主要保険団体が補償停止を控える中での異例の対応。
DFCトランプ政権ペルシャ湾地政学海運保険
ペルシャ湾の船舶保険、DFCに提供を命令
トランプ米大統領は、米国際開発金融公社(DFC)に対し、ペルシャ湾を航行する全ての船会社に適正な価格の保険を提供するよう命じたことを明らかにした。
背景にある海運保険の危機
今回の命令の背景には、ペルシャ湾をめぐる海運保険情勢の緊迫がある。船主責任相互保険(P&Iクラブ)の主要12クラブのうち7クラブが、ロンドン時間2026年3月5日午前0時以降、ペルシャ湾に入域する船舶に対する戦争リスク補償を停止する方針を打ち出している。
イエメンのフーシ派による紅海での商船攻撃が続いたことで、戦争リスク保険料は攻撃前の0.03%から0.05~0.1%に上昇。7日間の航行で数十万ドルの追加費用が発生する事態となっており、海運業界にとって深刻な負担となっている。
米政府機関を活用した異例の対応
DFCは本来、開発途上国への融資保証や政治リスク保険を主な業務とする機関である。ペルシャ湾の商業航行に対する保険提供は、従来の業務範囲を超えた活用と位置づけられる。
トランプ政権下では、DFCを米国の地政学的・経済的影響力拡大の手段として戦略的に活用する動きが進んでおり、今回の命令もその一環とみられる。ただし、「適正な価格」の具体的な基準や、命令の実行時期など、詳細は現時点で明らかになっていない。