2026/4/1
nippon-post.com
社会

旧統一教会に東京高裁が解散命令確定、1000億円超の資産清算手続き開始へ

要約

東京高裁が旧統一教会の即時抗告を棄却し解散命令が確定。東京地裁が選定した清算人による資産処分と被害弁済の手続きが開始されるが、被害規模は約204億円の認定にとどまり、救済の全容は不透明だ。

宗教法人旧統一教会消費者被害解散命令

東京高裁が解散命令を支持、清算手続きへ

東京高裁は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が提起した即時抗告を棄却し、東京地裁の解散命令を確定させた。これにより、教団の清算手続きが本格的に開始されることとなる。

清算手続きは東京地裁が選定した清算人によって行われ、教団が保有する現預金や所有不動産などの財産が処分される。清算の過程では、借入金の返済、未払い金の返済に加え、高額寄付の勧誘による被害者への弁済も実施される予定である。

Community gathering
※画像はイメージです

教団資産は1000億円超、認定被害は約204億円

教団の資産は1000億円を超えるとされている。一方、2025年3月の東京地裁決定では献金被害が約1,500人超・約204億円と認定されたが、被害者救済が資産全体で完全にまかなえるかは不透明な状況だ。

清算手続きの具体的な期間についても明らかにされておらず、長期化は避けられないとみられている。また、現在の教団の債務総額や、すべての被害者を含めた完全な被害規模の把握も課題として残されている。

数十年にわたる被害の末に

旧統一教会をめぐっては、1980年代から霊感商法が社会問題化し、1997年には最高裁が霊感商法の違法性を認める判決を確定させていた。2021年7月の安倍元首相銃撃事件をきっかけに教団と政治の関係が改めて注目を集め、2023年10月に文部科学省が宗教法人法に基づく解散命令を東京地裁に請求。2025年3月に東京地裁が解散命令を決定し、教団側が即時抗告していたが、今回東京高裁がこれを棄却した形である。

  1. 霊感商法が社会問題化

    旧統一教会による高額な壺や印鑑の販売が全国的に問題となり、被害相談が急増した

  2. 文科省が解散命令を請求

    宗教法人法に基づき、東京地裁に解散命令を請求。組織的な不法行為が根拠とされた

  3. 東京地裁が解散命令を決定

    高額献金・霊感商法を理由に解散命令を決定。民法上の不法行為を根拠とした初の事例となり、約1,500人超の被害(約204億円)が認定された

  4. 東京高裁が即時抗告を棄却

    教団側の抗告を退け解散命令が確定。清算人のもとで資産処分と被害者弁済の手続きが開始される

組織的な不法行為を理由とした宗教法人への解散命令としては、歴史的な決定となる。今後は清算人のもとで資産の処分と被害者への弁済が進められるが、資産の適切な清算と実効的な救済の実現が焦点となる。