2026/4/1
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社会

2歳娘への傷害致死、父親の逆転無罪が確定 最高裁が検察上告を棄却

要約

大阪高裁が一審の懲役12年を覆して言い渡した無罪判決に対し、検察側が上告していたが、最高裁第三小法廷が裁判官5人全員一致で棄却を決定し、無罪が確定した。乳幼児の頭部外傷診断における医学的証拠の信頼性が争点となっていた。

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最高裁が全員一致で上告棄却

2017年に大阪市の自宅で2歳の娘に暴行を加えて死亡させたとして傷害致死罪などに問われた今西貴大さん(37)について、最高裁第三小法廷(沖野真已裁判長)は3日付で検察側の上告を棄却する決定をした。裁判官5人全員一致の意見で、逆転無罪とした大阪高裁判決が確定する。

今西さんは一貫して無罪を主張していた。一審では暴行による死亡と認定され懲役12年が言い渡されたが、二審の大阪高裁が判断を覆し無罪を言い渡していた。

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※画像はイメージです

医学的証拠の信頼性が争点に

事件は2017年12月に発生した。今西さんの娘は頭蓋内損傷を負い、約1週間後に死亡した。今西さんは傷害致死罪と強制わいせつ致傷罪の両罪で起訴されていた。

大阪高裁は、「頭部への強い外力によって心肺停止に至った」とする検察の主張について、表面を傷つけずに脳深部を損傷させる暴行の具体的な立証が必要だと指摘。脳幹損傷をめぐっては矛盾する専門家証言が存在し、「嘔吐や誤嚥で死亡した可能性も否定できない」と認めた。

強制わいせつ致傷罪についても一審を否定

強制わいせつ致傷罪についても、大阪高裁は「自然排便では生じない」とする医師証言のみを根拠とした一審判決は不合理だと指摘していた。

最高裁は、上告できる理由にあたる憲法違反などがないと判断し、検察側の上告を退けた。