那須雪崩事故控訴審、元教諭2人に執行猶予判決 1人は実刑維持
要約
2017年栃木県那須町の雪崩事故で、被告3人のうち2人の一審実刑判決を東京高裁が破棄し、現場での役割に基づいて異なる量刑を言い渡した。
刑事裁判判決安全管理東京高裁
東京高裁、2人の実刑を破棄
2017年に栃木県那須町で県立大田原高校山岳部員7人と教諭1人の計8人が死亡した雪崩事故をめぐり、業務上過失致死傷罪に問われた元教諭3人の控訴審判決が4日、東京高裁で言い渡された。田村政喜裁判長は、猪瀬修一被告(59)と渡辺浩典被告(63)について一審の実刑判決を破棄し、いずれも禁錮2年執行猶予5年とした。一方、菅又久雄被告(57)については一審の禁錮2年の実刑判決を維持した。
一審では3人全員に禁錮2年の実刑が言い渡されていた。控訴審では、事故当日の各被告の現場での役割と責任の度合いが改めて精査され、判断が分かれる結果となった。
「班の命運を握っていた」菅又被告は実刑維持
事故当日、被害者らは複数の班に分かれて訓練を行っていた。菅又被告は8人が亡くなった班を直接引率しており、高裁は「班の命運を握っていた」と認定。実刑は免れないと判断した。
一方、猪瀬被告については「現場で直接指示する立場ではなかった」とし、渡辺被告については「別の班を引率していた」と指摘。いずれも「実刑とするのは不合理」との判断を示し、執行猶予付きの判決に変更した。
8人が犠牲となった登山講習会
この事故は2017年3月、栃木県那須町で行われていた登山講習会の最中に雪崩が発生し、県立大田原高校山岳部の生徒7人と引率教諭1人の計8人が命を落としたものである。業務上過失致死傷罪で元教諭3人が起訴され、一審ではいずれも禁錮2年の実刑が言い渡されていた。
控訴審判決は、同じ事故に関わった3人の被告に対し、現場での具体的な立場と役割の違いに基づいて異なる量刑を導いた。安全管理をめぐる責任の所在と、その程度に応じた刑事罰のあり方が改めて問われる判決となった。