2026/4/1
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国内

旧統一教会に東京高裁が解散命令、清算人が全国300カ所の調査に着手

要約

東京高裁は旧統一教会への解散命令を決定し、清算人に選任された伊藤尚弁護士が教団本部と全国約300カ所の教会の調査を開始した。42年以上にわたる高額献金被害の救済に向け、被害者1500人以上、被害額約204億円の清算手続きが進められる。

司法判断宗教法人旧統一教会解散命令

東京高裁が解散命令を決定

東京高裁(三木素子裁判長)は4日、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に対し解散を命じる決定を出した。教団の信者らによる高額献金勧誘の被害が42年以上にわたって継続してきたことが認定された。昨年3月の東京地裁による解散命令決定を不服として教団側が高裁に申し立てていたが、高裁もこれを支持した形となる。

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※画像はイメージです

解散命令の効力が生じたことにより、堀正一会長ら教団の役員は全員退任した。松本洋平文部科学相は「旧統一教会の信者による違法な献金勧誘などにより、長期間にわたり、多数の人が多額の財産的、精神的損害を受けてきたという我々の主張が認められたものと認識している」と述べた。

清算人が教団本部の調査に着手

東京地裁は同日午前、第一東京弁護士会所属の伊藤尚弁護士を清算人として選任した。伊藤弁護士は直ちに教団本部の調査に入り、全国約300カ所の教会についても調査を予定している。調査態勢は100人単位で組まれており、教団の全ての財産を管理したうえで被害者への弁済を進める方針だ。

伊藤弁護士は同日夜の会見で、清算手続きの期間について「年単位の期間がかかると思っている」と述べた。1980年代以降の被害者は1500人以上、被害額の合計は約204億円に上る。教団の献金収入の予算額は500億円程度で、2009年の「コンプライアンス宣言」の前後でも同水準を維持し、2015年から2021年度の献金回収率は予算比で8~9割に達していた。

教団側は「不当な判断」と反発

教団側は決定に強く反発している。教団側の福本修也弁護士は「信じられない。法治国家でこんなことがあっていいのか」と述べた。教団は声明で「安倍元首相銃撃事件の犯人・テロリストの『家庭連合を恨み、打撃を与える』という願望を国家ぐるみで叶えるものと言えます」と主張し、最高裁への特別抗告を含めて争う姿勢を示した。

一方、木原稔官房長官は「清算手続きが適切に進められ、速やかに被害者の救済がなされることを期待する」と述べ、関係省庁に対し関係閣僚会議幹事会の速やかな開催と被害者救済への対応を徹底するよう指示した。

信教の自由は保障、信仰活動は継続可能

解散命令は宗教法人格の剥奪を意味するが、信者の信教の自由と信仰・布教活動は憲法で保障されており、引き続き行うことが可能である。現在、月1回以上の礼拝参加または献金をしている信者は9~10万人とされる。

  1. 教団が韓国で創設

    キリスト教系の宗教団体として創設された

  2. 日本で宗教法人として認証

    日本国内で宗教法人格を取得し、布教活動を本格化させた

  3. 霊感商法が社会問題化

    高額献金の勧誘が社会問題となり、被害が広がる

  4. 安倍元首相銃撃事件

    山上徹也被告が安倍晋三元首相を銃撃。教団との関係が社会的に注目される

  5. 文科省が解散命令を請求

    政府が宗教法人法に基づき解散命令を請求

  6. 東京高裁が解散命令を決定

    昨年3月の東京地裁に続き高裁も解散を命令