2026/4/1
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国内

民間ロケット「カイロス」3号機、打ち上げも飛行中断

要約

スペースワン開発の小型ロケット「カイロス」3号機が和歌山県から打ち上げられたが飛行が中断された。初号機・2号機に続き3度目の軌道投入失敗となった。

カイロススペースワン宇宙開発民間ロケット

3号機も飛行中断

民間小型ロケット「カイロス」3号機が和歌山県の発射場から打ち上げられたが、飛行が中断された。カイロスは初号機、2号機に続き、3回連続で衛星の軌道投入に成功していない。

カイロスはキヤノン電子、清水建設、IHIエアロスペース、日本政策投資銀行が共同出資して設立した宇宙ベンチャー・スペースワンが開発する固体燃料の小型ロケットだ。発射場は和歌山県串本町と那智勝浦町にまたがる「スペースポート紀伊」で、日本初の民間ロケット発射場として注目を集めてきた。

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※画像はイメージです

繰り返される挫折

カイロスの打ち上げ失敗はこれで3度目となる。2024年3月の初号機は発射直後に爆発。同年12月の2号機は打ち上げ後に機体の姿勢が乱れ、自律飛行安全システムが作動して飛行を中断した。2号機では1段目ノズルのセンサーに起因する不具合が確認され、3号機ではセンサー設計の見直しや信号伝達経路の改善といった対策が施されていた。

しかし、改良を重ねた3号機でも再び飛行中断に至った。飛行中断の原因や詳細な経緯については、現時点で明らかにされていない。

日本の民間宇宙開発への影響

カイロスは全長18メートル、直径1.4メートルの小型ロケットで、高度500キロメートルの太陽同期軌道に150キログラムのペイロードを投入する能力を持つ。固体燃料を使用することで発射準備期間を短縮し、衛星受け取りから最短4日での打ち上げを可能にする設計だ。

スペースワンは2020年代中に年間20機、2030年代には年間30機の打ち上げを計画している。和歌山県は発射場関連の経済波及効果を10年間で約670億円と試算しており、地元・串本町にとっても宇宙関連産業による地域活性化への期待は大きい。3度の失敗を経て、今後の開発計画や打ち上げスケジュールにどのような影響が出るかが焦点となる。

  1. 初号機打ち上げ失敗

    発射約5秒後に爆発。カイロス初の打ち上げは衛星軌道投入には至らず。

  2. 2号機打ち上げ失敗

    打ち上げ86秒後にセンサー誤信号で姿勢が乱れ、187秒後に安全システムが作動し飛行中断。到達高度は110.7km。

  3. 3号機打ち上げ失敗

    センサー設計の見直し等の改善策を講じたが再び飛行中断。原因は現時点で不明。