スペースワン小型ロケット「カイロス」3号機、和歌山から打ち上げ
要約
民間宇宙ベンチャーのスペースワンが3月5日午前11時12分にカイロス3号機を打ち上げた。2号機の失敗原因となったセンサー設計を見直し、3度目の挑戦に臨んだ。
カイロス3号機が打ち上げ
小型ロケット開発・運用を手がけるスペースワンは2026年3月5日午前11時12分、小型ロケット「カイロス」3号機を打ち上げた。
カイロスは同社が開発する小型衛星打ち上げ用ロケットで、3号機の打ち上げは初号機、2号機に続く3回目の飛行となる。
過去2回は軌道投入に至らず
カイロスはこれまで2回の打ち上げを実施しているが、いずれも衛星の軌道投入には成功していない。2024年3月の初号機は打ち上げ直後に爆発。同年12月の2号機は宇宙空間(高度110km)への到達には成功したものの、第1段エンジンノズルの異常により軌道投入には失敗した。
3号機では、2号機の失敗原因となったノズル異常の検出に関するセンサー設計の見直しや、ケーブル配置の改善、熱・振動対策の強化が施されたとされる。
初号機打ち上げ
打ち上げ5秒後に爆発。民間ロケット開発の困難さを浮き彫りにした
2号機打ち上げ
高度110kmの宇宙空間に到達も、第1段エンジンノズル異常で軌道投入失敗
3号機打ち上げ
センサー設計やケーブル配置の改善を施し、3度目の挑戦に臨んだ
民間ロケットへの期待
スペースワンはキヤノン電子、IHIエアロスペース、清水建設、日本政策投資銀行の出資により2018年に設立された。和歌山県串本町の民間射場「スペースポート紀伊」を拠点に、小型衛星の打ち上げサービスの事業化を目指している。
日本ではこれまで民間企業の衛星打ち上げに国産ロケットが使われた実績が乏しく、2013年から2022年の間に日本企業が打ち上げた民間衛星27基はすべて外国のロケットが利用されていた。国内の民間ロケットによる軌道投入が実現すれば、日本の宇宙産業にとって大きな転機となる。