2026/4/1
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社会

AI発明者の特許出願、最高裁が上告退け「発明者は人間に限る」確定

要約

AIを発明者として記載した特許出願の却下処分を不服とした訴訟で、最高裁第二小法廷が上告を退ける決定を下した。一、二審判決を通じ、現行特許法上の発明者は自然人に限られるとの司法判断が確定した。

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最高裁が上告を退ける決定

AIを発明者として特許出願を行った米国籍の出願者が、特許庁の却下処分取り消しを求めた訴訟で、最高裁第二小法廷(岡村和美裁判長)は4日付で出願者側の上告を退ける決定を下した。これにより、「発明者は自然人(人間)に限る」とした一、二審判決が確定した。

最高裁第二小法廷は、上告できる理由にあたる憲法違反などがないと判断した。

出願から却下までの経緯

出願者は2020年、発明者名を「ダバス、本発明を自律的に発明した人工知能」として食品容器などの特許を出願した。これに対し特許庁は2021年、「発明者は自然人に限られる」として補正を命じたが、出願者がこれに応じなかったため出願を却下した。

【タイムライン】

  • 2020年 発明者名を「ダバス」とする特許出願:出願者は「ダバス、本発明を自律的に発明した人工知能」と記載し、食品容器などの特許を出願した。

  • 2021年 特許庁が出願を却下:発明者は自然人に限られるとして補正を命じ、出願者が応じなかったため出願を却下した。

  • 4日付 最高裁が上告を退ける:最高裁第二小法廷が上告を退け、発明者は人間に限るとの判決が確定した。

一審・二審の判断

一審判決は「特許法は発明者が人であることを前提としている」と指摘し、「人以外に特許を与える規定もない」と述べた。一方で「現行の特許法と異なる制度設計の余地も十分にあり得る」とも言及し、立法論としての可能性には含みを残した。

二審の知財高裁は、AI発明が社会に及ぼす影響など「広汎で慎重な議論」が必要だとしつつも、一審の結論を支持した。

AI技術が急速に進展する中、AIが生み出した発明の権利をどう扱うかは国際的にも議論が続いている。米国や欧州でもAIを発明者として認めない判断が示されており、日本の司法判断もこの流れに沿うものとなった。ただし、知財高裁が指摘した通り、今後の技術発展を踏まえた制度設計の議論が求められる局面にある。