2026/4/1
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国際

米アンソロピック、国防総省の「安全保障上の脅威」指定に対し提訴を表明

要約

AI開発企業アンソロピックが「法廷で争う以外に選択肢はない」と声明を発表。米国企業が国防総省から安全保障上の脅威に指定されるのは極めて異例で、AI業界と政府の関係に波紋が広がっている。

AI規制安全保障米国政治

「法廷で争う以外に選択肢はない」

米人工知能(AI)開発の新興企業アンソロピックは5日、米国防総省(ペンタゴン)を提訴する考えを示す声明を発表した。国防総省がアンソロピックを米国の安全保障上の脅威として指定したことに対し、同社は「法廷で争う以外に選択肢はない」と表明し、法的手段で対抗する姿勢を鮮明にした。

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※画像はイメージです

米国企業への脅威指定は前代未聞

国防総省による安全保障上の脅威指定は、通常は外国の敵対的な国家や組織に対して用いられる措置である。米国企業がこの指定を受けるのは前代未聞とされ、AI業界のみならず米国の産業界全体に衝撃を与えている。

国防長官ピート・ヘグセスが2026年3月にアンソロピックを「サプライチェーンリスク」に指定したことに対し、法律専門家からは法的根拠について疑問の声が上がっている。

AI企業と政府の関係に波紋

アンソロピックは2021年、OpenAIの元幹部らが設立したAI企業で、大規模言語モデル「Claude」シリーズの開発で知られる。倫理的なAI開発を掲げ、AI安全保障の研究に力を入れてきた企業として知られている。

対立の背景には、国防総省の契約交渉をめぐる見解の相違がある。アンソロピックは自律型致死兵器への使用禁止や米国民への大量監視への転用防止を契約の条件として求めたが、国防総省がこれらの制限を受け入れなかったとされている。

今回の脅威指定と提訴表明は、AI技術の軍事利用をめぐる企業と政府の間の構造的な緊張関係を浮き彫りにするものだ。提訴の具体的な時期や訴訟の詳細は現時点では明らかにされていない。