映画監督・榊英雄被告に懲役8年の判決 俳優2人への準強姦罪で東京地裁
要約
演技指導を名目に当時20代の俳優女性2人に性行為を強要した映画監督・榊英雄被告(55)に対し、東京地裁は「監督の立場を利用した悪質で卑劣な犯行」として懲役8年を言い渡した。弁護側の「捜査誘導」主張は退けられた。
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「悪質で卑劣な犯行」東京地裁が懲役8年
映画監督で会社役員の榊英雄被告(55)が、演技指導を名目に俳優の女性2人に性行為を強要したとして準強姦罪に問われた裁判で、東京地裁は懲役8年(求刑懲役10年)の判決を言い渡した。
宮田祥次裁判長は判決理由で「監督という立場を利用し、悪質で卑劣な犯行」と指摘。「2人が受けた精神的、肉体的な苦痛は計り知れず、人格を顧みることなく犯行に及んでおり、被告の規範意識は鈍麻している」と述べた。
2015年から2016年にかけ2人の女性に性行為を強要
起訴状などによると、榊被告は2015年3月、当時20代の女性に対し、映画監督としての立場を利用して性行為を強要。さらに2016年7月から9月にかけて、別の当時20代の女性に対しても同様に性行為を強要した。いずれも演技指導を名目としたものだった。
弁護側は無罪を主張、裁判所は証言の信用性を認定
裁判で榊被告側は、被害女性の証言について「捜査機関に誘導された可能性が高い」として無罪を主張していた。
これに対し宮田裁判長は、被害申告に至る経緯に不自然な点は見当たらないとし、証言は信用できると判断。弁護側の主張を退けた。
映画業界では近年、監督やプロデューサーなど制作側の立場を利用した性加害が相次いで表面化しており、業界の構造的な問題として指摘されている。日本映画制作適正化機構によるハラスメント防止ガイドラインの策定など改善の取り組みが進む一方、本事件は2015~2016年の犯行から判決まで約10年を要しており、被害者が声を上げることの困難さを改めて浮き彫りにした。