2026/4/1
nippon-post.com
国際

米財務長官、インドのロシア産原油購入を30日間容認 原油高で政策転換

要約

米政権はロシアの収入源を断つため禁輸を求めてきたが、イラン攻撃に伴う原油高と11月の中間選挙への影響を懸念し、インドに対する姿勢を一転させた。

インドエネルギー安全保障ロシア原油価格米国政治

米財務長官、インドのロシア産原油購入を30日間容認 原油高で政策転換

ベッセント財務長官がX上で表明

ベッセント米財務長官は2026年3月5日、インドによるロシア産原油の購入を30日間認めると明らかにした。X(旧ツイッター)への投稿で「世界のエネルギーを人質にしようとするイランの圧力を…」と述べ、認可の背景を説明した。

oil refinery, crude oil tanker, commodity trading, energy market
※画像はイメージです

米政権はこれまで、ウクライナ侵略を続けるロシアの収入源を絶つため、各国にロシア産原油の禁輸を要請してきた。インドに対しても購入停止を求める姿勢を維持しており、今回の決定は従来の方針からの明確な転換となる。

原油高と中間選挙が政策転換の引き金に

政策転換の直接的な契機となったのは、イラン攻撃に伴う原油価格の高騰である。エネルギー価格の上昇は米国内のガソリン価格に直結し、国民生活への影響が避けられない状況となった。

とりわけ米政権が警戒しているのは、11月に控える中間選挙への悪影響だ。ガソリン価格の高騰は有権者の不満に直結するため、エネルギー供給の安定を優先する判断に傾いたとみられる。ロシアへの制裁姿勢を堅持するよりも、原油市場の安定を図ることで国内経済への打撃を抑える狙いがある。

30日間の認可、その先は不透明

今回の認可期間は30日間と限定的である。期間終了後に米政権がどのような方針を打ち出すかは現時点で明らかになっていない。

インドはウクライナ侵攻以降、割安なロシア産原油の大口購入国となっており、米国との間で繰り返し摩擦が生じてきた。今回の30日間という期限付きの認可は、原油高という緊急事態への暫定的な対応策であり、米政権のロシア制裁方針そのものが根本的に変わったわけではないとの見方もある。エネルギー安全保障と対ロ制裁の両立という難題に、米政権がどう向き合うかが今後の焦点となる。