住友ファーマ、iPS細胞治療製品「アムシェプリ」の条件付き承認を取得 世界初の実用化へ
要約
京都大学の治験で患者の運動症状改善が確認された世界初のiPS細胞由来医薬品が、厚労省から条件付き承認を得た。早ければ今夏にも市販される見通し。
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iPS由来医薬品で世界初の承認
住友ファーマは6日、パーキンソン病治療向けのiPS細胞再生医療製品「アムシェプリ」について、厚生労働省から条件及び期限付きの製造販売承認を取得したと発表した。クオリプスが開発した心不全向け心筋細胞シート「リハート」とともに、iPS細胞由来の医薬品としては世界初の承認事例となる。
アムシェプリは、健康な人の血液から作製したiPS細胞をドパミン神経前駆細胞に分化させ、パーキンソン病患者の脳内に移植する治療製品である。薬価収載後、早ければ今夏にも市販が開始される見通しだ。
条件付き承認の枠組み
今回の承認は「条件及び期限付き」の製造販売承認であり、承認期間中に有効性に関するデータを追加で収集し、本承認の可否が判断される仕組みとなっている。京都大学医学部附属病院で2018年から実施された医師主導治験では、7名のパーキンソン病患者にiPS細胞由来のドパミン神経細胞を移植し、6名中4名で運動症状の改善が確認されていた。
米国での臨床試験も進行中
住友ファーマはアムシェプリについて、米国でも臨床試験を進めている。同社は主力薬「ラツーダ」の米国特許失効後、再生・細胞医療事業を経営の柱に据えており、アムシェプリはその中核を担う製品と位置づけられる。2025年2月には住友化学との合弁で再生・細胞医療の新会社「S-RACMO」を設立しており、事業の本格化を加速させている。
iPS細胞の臨床応用は京都大学iPS細胞研究所の研究成果を基盤としており、今回の承認は日本発の再生医療技術が実用化段階に到達したことを示す節目となった。