イラン新最高指導者にハメネイ師次男モジタバ師、専門家会議が選出
要約
米国とイスラエルによる攻撃で殺害されたハメネイ師の後継として、聖職者88人で構成される専門家会議がモジタバ・ハメネイ師(56歳)を新最高指導者に選出した。イスラム革命以降、初の世襲による権力継承となる。
専門家会議が後継者を選出
イランの最高指導者を選出する権限を持つ「専門家会議」(聖職者88人で構成)は8日、故ハメネイ師の次男モジタバ・ハメネイ師(56歳)を新たな最高指導者に選出した。国営イラン放送などイランメディアが9日未明に一斉に報じた。
ハメネイ師は米国とイスラエルによる攻撃で殺害されており、後継者の選出が焦点となっていた。1979年のイスラム革命以降、最高指導者の地位が世襲で引き継がれるのは今回が初めてとなる。
モジタバ師の経歴と革命防衛隊との関係
モジタバ師は高校卒業後に神学を学び、1980年代にはイラン・イラク戦争に従軍した経験を持つ。公の場に姿を見せることは少なかったが、イランの精鋭部隊であるイスラム革命防衛隊と緊密な関係を築いてきたとされる。
革命防衛隊はイラン国内で政治・経済に強大な影響力を持つ組織であり、モジタバ師の選出にあたっても大きな役割を果たしたとみられる。
国内の混乱と米国の反発
今年に入り、故ハメネイ師の体制に対する反体制デモがイラン全国で展開されている。当局はデモを武力で鎮圧しており、数千人規模の死者が出ている。
米国とイスラエルはイランの体制転換を公言しており、トランプ米大統領はモジタバ師の後継指名について「受け入れない」と発言した。新指導者の選出により、イランと米国・イスラエルとの対立がさらに先鋭化する可能性がある。
揺れるイラン体制の行方
モジタバ師は、37年間にわたり最高指導者の座にあった父の権力基盤を直接継承する形となる。国内では大規模な反体制運動が続き、国外では米国とイスラエルが圧力を強める中での船出となり、イラン体制は内外から極めて厳しい状況に置かれている。