2026/4/1
nippon-post.com
国内

JR東日本、久留里線の君津市区間9.6kmの廃止を国交省に届け出

要約

JR東日本が久留里~上総亀山間の廃止を国交省に届け出た。同区間は利用者減により深刻な赤字が続いていた。

JR東日本千葉県国土交通省鉄道

JR東日本が廃止届け出

JR東日本は9日、久留里線の一部区間について鉄道事業の廃止を国土交通省に届け出た。廃止対象は千葉県君津市内の久留里~上総亀山間の9.6キロで、廃止予定日は2027年4月1日である。

Kururi Line railway, rural train station, abandoned railway track, JR East infrastructure
※画像はイメージです

管内最悪水準の赤字路線

同区間はJR東日本管内でも最悪水準の赤字を抱えていた。2024年度の営業係数は6694で、100円の営業収入を得るために6694円のコストがかかる計算となる。1日あたりの利用者はわずか76人にとどまり、年間の営業赤字は約2億円に達していた。過去30年間で利用者は約9割減少しており、1980年代以降のモータリゼーションの進展に伴い、沿線地域が自動車交通中心へと急速に転換したことが背景にある。

地元との協議を経て廃止へ

廃止に至るまでには段階的な協議が重ねられてきた。2022年7月にJR東日本が末端区間の極めて低い収支率を公表したのを皮切りに、千葉県や君津市との間で沿線交通のあり方について議論が進められた。2024年にはJR東日本がバス転換を提示し、君津市が1日13往復の代替バス運行案を了承。JR東日本は18年間にわたり代替バスの運行費を負担する方針とされている。

  1. 収支率の公表

    JR東日本が末端区間の極めて低い収支状況を公表し、路線の存廃議論が本格化した

  2. 沿線交通協議の開始

    千葉県がJR東日本・君津市などと沿線交通のあり方について協議を開始

  3. バス転換案の合意

    JR東日本が提示したバス転換案を君津市が了承。代替バスは1日13往復の運行計画

  4. 廃止届け出

    JR東日本が国土交通省に鉄道事業の廃止を届け出

  5. 廃止予定日

    届け出から約1年後に正式廃止となる見通し

鉄道事業法では、事業者は廃止日の1年前までに届け出を行うことが義務付けられている。今回の届け出は地元自治体との協議が先行して成立していたことから、手続きは比較的円滑に進むとみられる。

ローカル線の構造的課題

久留里線の廃止は、JR東日本が抱える赤字ローカル線問題の一端を示している。2024年度には36路線71区間で計790億円の営業赤字が発生しており、事業者単独での路線維持が困難な状況が広がっている。沿線の君津市も人口減少が続いており、令和2年時点の人口は約8万2000人と、平成27年から約3800人減少している。地方の人口減と自動車社会への移行が、鉄道経営をさらに厳しい状況に追い込んでいる構図だ。