オルツ粉飾決算事件が初公判、循環取引で架空売上111億円を計上
要約
AI企業オルツの元社長ら被告4人が金融商品取引法違反罪で東京地裁に出廷し、検察側は広告代理店を経由した循環取引スキームにより開示売上の8割超にあたる約111億円が架空だったと指摘した。
初公判で罪状認否、元社長ら4人が出廷
AI企業オルツと元社長の米倉千貴被告(48)、前社長の日置友輔被告(35)ら4人に対する金融商品取引法違反事件の初公判が9日、東京地裁で開かれた。元営業部門長の浅井勝也被告(46)、元経理部門長の有泉隆行被告(53)も出廷し、それぞれ罪状認否に臨んだ。
検察側は冒頭陳述で、2020年頃から米倉元社長の指示のもと循環取引が計画され、遅くとも2021年6月には広告宣伝費を原資とした架空取引が始まっていたと指摘。広告代理店や研究開発業者に資金を支出し、販売パートナーを経由してオルツに売上として還流させる手口だったとした。
開示売上の8割超が架空
検察側の主張によると、2022年12月期から2024年6月中間期までの架空売上は約84億円に上る。2024年12月期の実際の売上は約10億9000万円だったにもかかわらず、有価証券報告書には約60億5700万円と虚偽記載されていた。3年間の架空計上総額は約111億700万円で、開示売上の8割超を占めていた。
2022年には監査法人から循環取引の指摘を受けていたが、その後も架空計上は続けられた。2023年9月には虚偽の有価証券届出書を関東財務局に提出し、2024年10月に東証グロース市場への上場を果たしていた。
上場から1年足らずで廃止
オルツは2014年に設立。2024年10月の上場後、2025年4月に粉飾の疑惑を公表し、同年8月に上場廃止となった。2025年12月には清算方針で合意している。
経営陣の出廷と供述
被告人質問で出廷した浅沼達平現社長は「市場の信頼を裏切ったばかりか、債権者に多大な損害を与えた」と述べた。一方、浅井元営業部門長は「営業現場に責任を押しつけられると思った」と供述しており、組織内部での責任の所在が今後の公判で争点となる可能性がある。