2026/4/1
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国内

陸自、熊本駐屯地に長射程ミサイル装備を未明搬入 地元自治体に事前連絡なし

要約

12式地対艦誘導弾能力向上型の関連装備が健軍駐屯地に運び込まれたが、熊本県・市ともに報道で搬入を知る事態となり、知事・市長がそろって政府の対応を批判した。

安保3文書安全保障熊本県自衛隊防衛政策

未明に大型車両が到着、初の配備地へ

陸上自衛隊は9日午前0時過ぎ、熊本市東区の健軍駐屯地に長射程ミサイル「12式地対艦誘導弾能力向上型」の関連装備品を搬入した。発射装置に関連する装備品で、静岡県の富士駐屯地から運ばれた。健軍駐屯地は同ミサイルの配備地としては全国で最初の拠点となる。正式配備は今月31日を予定している。

Japanese scenery
※画像はイメージです

12式地対艦誘導弾能力向上型は射程約1000キロで、九州から中国沿岸部や台湾周辺の海域が射程に入る。2022年に改定された安全保障関連3文書で打ち出された敵基地攻撃能力(反撃能力)の一端を担う装備であり、戦後日本の防衛政策における大きな転換点を象徴する兵器だ。なお、ミサイル本体の保管場所は明らかにされていない。

知事「報道で知った、大変残念」

搬入をめぐっては、地元自治体である熊本県・熊本市のいずれにも事前の連絡がなかったことが判明し、波紋を広げている。

木村敬知事は9日、報道陣に対し「県に何の知らせもなく、報道を通じて搬入を知ったことは大変残念」と述べ、政府の対応に不満を示した。大西一史市長も「市民が不安な状態にあることを受け止めて、住民の安全に関する情報を提示してほしい」と求めた。

これに対し、木原稔官房長官は同日の会見で「装備品の搬入にかかる詳細は、部隊運用の保全や輸送の安全を確保する観点から答えを差し控えている。今回だけではない」と説明し、安全保障上の理由から事前通告を行わない方針を示した。

反対派は前夜から集結、説明会は17日予定

8日夜からはミサイル配備に反対する人々が駐屯地周辺に集まり、抗議の意思を示していた。

九州防衛局は今月17日に熊本県や熊本市、地元自治会などを対象とした装備品の展示・説明会を予定している。ただ、搬入が説明会に先行する形となったことで、住民への説明責任をめぐる議論が今後さらに活発化する可能性がある。

  1. 反対派が駐屯地周辺に集結

    配備に反対する人々が健軍駐屯地の周辺に集まり始めた

  2. 装備品を未明に搬入

    富士駐屯地から運ばれた発射装置関連の装備品が大型車両で到着

  3. 知事・市長が政府対応を批判

    事前連絡なしに搬入が行われたことに対し、県知事と市長がそろって遺憾の意を表明

  4. 装備品展示・説明会

    九州防衛局が県・市・自治会を対象に装備品の展示と説明を実施予定

  5. 正式配備

    健軍駐屯地への12式地対艦誘導弾能力向上型の正式配備が完了する予定