トランプ大統領、イラン攻撃停止に「適切な時期に決断」と言及 原油高騰が背景か
要約
トランプ米大統領がイスラエルメディアのインタビューでイランへの攻撃停止時期について言及した。反米強硬派の新最高指導者を選出したイランとの対峙が続くなか、原油価格の高騰が判断に影響を与えている可能性がある。
トランプ大統領「適切な時期に決断する」
トランプ米大統領は3月8日、イスラエルメディア「タイムズ・オブ・イスラエル」のインタビューに応じ、イランへの攻撃停止について「適切な時期に決断する」と述べた。具体的な時間軸には言及しなかったものの、攻撃停止の可能性を自ら示した形である。
米国とイスラエルは2月28日にイランへの共同攻撃を開始し、最高指導者ハメネイ師が死亡した。その後、イランの「専門家会議」はハメネイ師の次男モジタバ・ハメネイ師を第3代最高指導者に選出。反米強硬派の指導者を据えることで抗戦の意思を明確にしている。
イラン側は抗戦姿勢を鮮明に
イランは新指導体制のもとで対米強硬路線を継続する構えを見せている。トランプ大統領は3月6日に「イランとの合意は無条件降伏以外ありえない」と宣言しており、両国の立場には大きな隔たりがある。ネタニヤフ・イスラエル首相と共同で攻撃停止の時期を判断する姿勢を示しつつも、「適切な時期に決断する」という表現にとどめた今回の発言は、即座の停戦には至らないことを示唆している。
原油価格高騰が判断に影を落とす
中東情勢の緊迫化を受け、原油価格は大幅に上昇している。WTI先物は1バレル110ドルを超えて3年9カ月ぶりの高値を記録し、北海ブレント原油も118ドル付近まで上昇した。ホルムズ海峡周辺の緊張によりUAE・クウェート・イラクが減産を開始しており、世界の海上石油輸送の約25%が通過する同海峡の事実上の閉鎖が供給不安を増幅させている。
トランプ大統領が攻撃停止の時期に言及した背景には、原油高騰が米国経済に及ぼす影響への懸念があるとみられる。米国内では対イラン攻撃に対する世論の反対が多数派を占めており、自身の支持基盤であるMAGA陣営内からも不満が噴出するなど、政治的な圧力も高まっている状況である。
「適切な時期」が具体的にいつを指すのか、また攻撃停止の判断基準が何であるかは依然として不透明なままだ。中東情勢とエネルギー市場の行方を左右する重要な局面が続く。