G7エネルギー相会議、石油備蓄の協調放出含む対応の用意を表明
要約
イラン情勢の緊迫化を受け、G7エネルギー担当相会議で石油備蓄の協調放出を含めた対応準備があることが示された。原油市場の安定確保に向けた国際協調の動きが加速している。
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G7、備蓄放出含む対応準備を確認
G7エネルギー担当相会議において、石油備蓄の協調放出を含めた対応の用意があるとの姿勢が示された。イラン情勢の緊迫化に伴う原油供給の不安定化を背景に、エネルギー安全保障の確保に向けた国際的な協調姿勢を打ち出した形だ。
イラン情勢の緊迫化が背景に
今回の会議の背景には、深刻化するイラン情勢がある。米国とイスラエルは2月28日にイランへの大規模攻撃を実施。トランプ大統領は2月上旬に「最大限の圧力」政策を復活させ、イランの原油輸出ゼロ化を目指す方針を掲げている。
こうした地政学リスクの高まりを受け、原油価格は100ドル台に上昇。悲観的なシナリオでは、ホルムズ海峡の封鎖により140ドルまで急騰する可能性も指摘されている。
日本への影響と備蓄の実効性
日本は中東から94%の原油を輸入しており、タンカーの8割がホルムズ海峡を経由している。同海峡は世界の原油供給の約2割が通過する要衝であり、情勢悪化の影響を最も受けやすい国の一つである。
IEA加盟国には輸入量の90日分以上の石油在庫確保が義務付けられている。過去には湾岸戦争(1991年)、ハリケーン・カトリーナ(2005年)、リビア情勢(2011年)、ウクライナ侵攻(2022年)の4度にわたり協調放出が実施された。
ただし、G7単独での備蓄放出は効果が限定的であり、IEA加盟国全体への拡大が実効性確保の鍵となるとの見方もある。エネルギー市場の安定に向け、今後の国際協調の行方が注目される。