2026/4/1
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国内

富士通、防衛装備庁から指揮官支援「AIエージェント」開発を受注

要約

防衛装備庁が委託する自衛隊指揮官の意思決定支援AI開発を富士通が受注した。目標達成に必要な作業を自ら考え実行する「AIエージェント」で、意思決定の迅速化や隊員の負担軽減を目指す。

AI・ハイテク安全保障研究開発防衛省

富士通が「AI幕僚」開発へ

富士通は10日、防衛装備庁から自衛隊指揮官の意思決定を支援する「AIエージェント」の委託研究を受注したと発表した。目標指示に対して達成に必要な作業を自ら考えて実行するAIを開発するもので、いわば「AI幕僚能力」の獲得を目指すプロジェクトとなる。

Tokyo cityscape
※画像はイメージです

開発の柱は3つある。第一に指揮官の意思決定の迅速化、第二に情報収集・分析能力における優位性の確保、そして第三に隊員の負担軽減と省人化である。

「自ら考えて実行する」AIの意味

今回開発するAIエージェントは、指揮官が示す目標に対し、その達成に必要な手順や作業を自律的に判断して実行する能力を持つ。従来のシステムが人間の指示を逐一必要としたのに対し、AIエージェントはより広範な状況判断と作業遂行を担う点に特徴がある。

防衛装備庁は委託元として本研究を発注し、開発されたシステムは自衛隊での活用が想定されている。ただし、契約金額や開発期間、具体的な機能の詳細については明らかにされていない。

防衛省のAI活用戦略が本格始動

防衛省は2024年7月に「防衛省AI活用推進基本方針」を策定し、探知・識別、情報分析、指揮統制、後方支援、無人アセット、サイバー、事務処理効率化の7分野を重点領域に位置づけていた。今回の指揮官支援AI開発は、このうち指揮統制分野の具体化にあたる。

富士通は2023年8月に防衛・安全保障事業を統合した「富士通ディフェンス&ナショナルセキュリティ(FDNS)」を設立しており、今回の受注に合わせてスタートアップ企業との共同研究パートナーを募る「Fujitsu Accelerator Program for Defense Tech」を日本初の取り組みとして立ち上げている。

防衛省は2025年6月に「装備品等の研究開発における責任あるAI適用ガイドライン」も策定済みで、倫理面での枠組み整備と技術開発が並行して進む形となっている。