2026/4/1
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社会

飯能市の家族3人殺害事件、さいたま地裁が被告に無期懲役の判決

要約

検察側は死刑を求刑していたが、さいたま地方裁判所は無期懲役を選択した。2022年12月に飯能市で米国籍の夫婦と長女が斧で殺害された事件で、責任能力の有無が最大の争点となっていた。

刑事裁判判決埼玉県殺人事件飯能市

検察の死刑求刑に対し無期懲役

埼玉県飯能市で家族3人が殺害された事件で、さいたま地方裁判所は3月16日、被告に無期懲役の判決を言い渡した。検察側はこの事件について死刑を求刑していた。

2022年12月25日早朝、飯能市美杉台の住宅で米国籍の男性(当時69歳)と妻(同68歳)、訪問中だった長女(同32歳)の3人が斧で殺害された。逮捕・起訴されたのは被害者宅から約60メートル離れた住宅に住んでいた斎藤淳被告(43歳)である。

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※画像はイメージです

近隣トラブルから殺害に至るまで

事件の背景には、被害者宅との間で起きた近隣トラブルがあった。2022年1月から2月にかけて被害者宅の車が傷つけられる被害が発生し、斎藤被告は器物損壊容疑で3回逮捕されたが、いずれも不起訴処分となっていた。

その後、被害者側が弁護士を通じて斎藤被告の母親に賠償と自宅からの退去を要求。斎藤被告は支払いを拒絶したが、母親が無断で約126万円を被害者の口座に振り込んだ。斎藤被告が返還を求めたものの被害者側に拒否され、強い恨みを抱くようになったとされる。

犯行直前には防犯カメラを切断し、斧などの凶器を事前に準備していたことが明らかになっている。

責任能力が最大の争点に

公判では被告の責任能力が最大の争点となった。検察側は「殺人事件の中でも最も悪質で残虐性が高い」として死刑を求刑。一方、弁護側は斎藤被告に統合失調症の診断歴があることを挙げ、犯行当時は心神喪失状態だったとして無罪を主張していた。

斎藤被告自身は「当時は寝ていた」「知らない」と一貫して犯行を否認していた。

さいたま地裁は、検察側の死刑求刑と弁護側の無罪主張の間で、無期懲役の判決を選択した。