2026/4/1
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国際

NASA、月周回拠点「ゲートウエー」凍結 月面基地建設に3兆円投資へ転換

要約

トランプ大統領の宇宙戦略に基づき、NASAは月軌道の中継拠点から月面への直接開発に方針転換。今後7年間で200億ドルを投じ、2028年の有人月面着陸を目指す。

JAXANASAアルテミス計画宇宙開発月面基地

NASAが方針転換、月面基地建設に注力

米航空宇宙局(NASA)は2026年3月24日、月を周回する有人拠点「ゲートウエー」の計画を凍結すると発表した。これに伴い、月面基地の建設に注力する方針へ転換し、今後7年間で200億ドル(約3兆1800億円)を投じる計画を明らかにした。

この決定は、トランプ米大統領が2025年12月に打ち出した宇宙戦略に基づくものである。NASAのアルテミス計画では2028年の月面着陸を目標としており、月軌道上の中継拠点を経由する従来の構想から、月面への直接的な拠点建設へと大きく舵を切った形だ。

月面基地は3段階で建設

月面基地建設は3段階のプロセスで進められる。第1段階では月面への機材送付と技術実証を行い、第2段階で継続的な有人活動支援と仮拠点の設置に移行する。最終的な第3段階で恒久的な月面基地への移行を実現する計画である。

月面基地にはJAXA(宇宙航空研究開発機構)などが開発する「有人与圧ローバー」が利用される予定だ。また、ゲートウエー向けに開発した技術は月面基地に転用される見通しである。

JAXAへの影響と火星探査計画

ゲートウエーの凍結は日本の宇宙開発にも影響を及ぼす。JAXAは2020年に日米両政府とゲートウエー整備に向けた覚書に署名しており、居住棟で利用する機材提供と補給ミッションでの協力を予定していた。アルテミス計画には初期段階から参画してきたJAXAにとって、計画の枠組みが大きく変わることになる。

一方、NASAは月面基地だけでなく火星探査にも目を向けている。2028年までに原子力推進システムを搭載した無人宇宙船を火星に送ることを発表しており、ヘリコプター型の探査機を届ける計画も明らかにした。月面基地の建設と並行して、人類の活動領域をさらに深宇宙へ拡大する構想が動き出している。