2026/4/1
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国際

イラン最高安全保障委員会トップにゾルガドル氏、革命防衛隊出身の強硬派が就任

要約

前任のラリジャニ氏がイスラエル軍の空爆で殺害されたことを受けた人事で、穏健保守派から強硬派への路線転換を示唆する。任命は現最高指導者モジタバ・ハメネイ師の承認を経て行われた。

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革命防衛隊出身のゾルガドル氏を任命

イラン国営メディアの報道によると、モハンマド・ゾルガドル氏がイラン最高安全保障委員会の新たな事務局長に任命された。任命は現最高指導者モジタバ・ハメネイ師の承認を得て行われた。

ゾルガドル氏は革命防衛隊出身で、前任のラリジャニ氏がイスラエル軍の空爆で殺害されたことに伴う後任人事である。

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※画像はイメージです

前任ラリジャニ氏の死と権力空白

最高安全保障委員会は、イランの外交や国防を統括する中枢機関である。前事務局長のラリジャニ氏は、イスラエル軍から「事実上の指導者」と表現されるほどの存在だった。

ラリジャニ氏は穏健保守派の体制内重鎮として知られ、核交渉や戦略決定を長年にわたり主導してきた外交の実務家であった。前最高指導者アリ・ハメネイ師が米イスラエルの攻撃で死亡した後、戦時下の対応を担う中心的な役割を果たしていたが、イスラエル軍の空爆により殺害された。

穏健派から強硬派への転換

後任となるゾルガドル氏は、革命防衛隊副司令官を務めた経歴を持つ強硬派として知られる。穏健保守派のラリジャニ氏から強硬派のゾルガドル氏への交代は、イランの安全保障政策の方向性に変化をもたらす可能性がある。

革命防衛隊は最高指導者に直属するエリート軍事組織であり、国防・軍事にとどまらず経済や治安の分野にも大きな影響力を持つ。同組織出身者が最高安全保障委員会のトップに就くことで、軍・治安機関の政治的プレゼンスがさらに強まることも予想される。

イランでは、アリ・ハメネイ前最高指導者の死亡とラリジャニ氏の殺害という二つの大きな指導者喪失を経て、権力構造の再編が進行している。今回の人事は、その過程における重要な転換点として注目される。