2026/4/1
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社会

日野町事件、戦後2例目の死後再審へ三者協議開始 検察の立証方針は未定

要約

1984年に滋賀県日野町で発生した強盗殺人事件で無期懲役が確定し、服役中に亡くなった阪原弘さんの再審に向け、大津地裁で弁護団・検察・裁判所の三者協議が始まった。遺族は高齢の母親の存命中の無罪獲得を訴えている。

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大津地裁で三者協議が開始

1984年に滋賀県日野町で酒店の女性店主(当時69)が殺害された「日野町事件」で、強盗殺人罪により無期懲役が確定し、服役中に亡くなった阪原弘さんのやり直し裁判(再審)に向けた三者協議が2月25日、大津地裁で開かれた。協議には弁護団、検察、裁判所が参加し、畑口泰成裁判長が双方に「迅速な審理」を求めた。

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※画像はイメージです

2026年2月に最高裁で死後再審が確定したこの事件は、戦後2例目の死後再審となる。阪原さんは1988年に逮捕・起訴され、公判では一貫して無罪を主張したが、無期懲役の判決が確定。2011年3月、再審請求中に75歳で病死した。その後、2012年に遺族が改めて再審を請求していた。

検察の立証方針、明らかにされず

三者協議で焦点となったのは、検察側が改めて有罪立証を行うかどうかという点である。弁護団は検察側に対し、有罪立証をしないよう求めたが、検察側はこの日、立証方針を明らかにしなかった。

主任弁護人の石側亮太弁護士は協議後、「再審開始決定以降、検察官の即時抗告や特別抗告で7年7カ月も開始が妨げられてきた。一刻も早い冤罪救済に向けて、検察官は公益の代表者としてきちんと振る舞ってほしい」と述べた。

次回の三者協議は5月19日に予定されている。

遺族「家族が元気なうちに無罪を」

再審請求人である阪原さんの長男・弘次さん(64)は、「母は88歳と高齢。家族が元気なうちに再審無罪を勝ち取りたい。検察官には有罪立証などすることなく、早期に裁判を終わらせていただきたい」と訴えた。

  1. 日野町事件が発生

    滋賀県日野町の酒店で女性店主(当時69)が殺害される事件が起きた

  2. 阪原弘さん逮捕・起訴

    逮捕後の公判で阪原さんは一貫して無罪を主張したが、無期懲役が確定した

  3. 阪原さん病死

    再審請求の途中で75歳で亡くなった。翌年、遺族が改めて再審を請求した

  4. 最高裁で死後再審が確定

    検察の特別抗告が退けられ、再審開始決定から7年7カ月を経て再審が確定した

  5. 三者協議開始

    大津地裁で弁護団・検察・裁判所による初回の協議が行われた

再審開始決定後、検察側の即時抗告や特別抗告により7年7カ月にわたって再審の開始が妨げられてきた経緯がある。遺族や弁護団にとって、検察側が今後どのような立証方針をとるかが、審理の迅速化を左右する最大の焦点となる。