2026/4/1
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国内

袴田さん姉・ひで子さん、自民党会合で再審見直し要綱案に反対表明

要約

1966年の静岡県一家4人殺害事件で再審無罪となった袴田巌さんの姉・ひで子さんが、法制審議会の再審制度見直し要綱案について反対意見を表明し、現行案では冤罪被害者の救済が不十分だと指摘した。

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92歳のひで子さん、自民党本部で意見表明

自民党は2026年3月25日、党本部で再審制度に関する会合を開催した。この場に出席した袴田巌さんの姉・ひで子さん(92)は、法相の諮問機関である法制審議会がまとめた再審制度の見直し要綱案に対し、反対意見を表明した。

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※画像はイメージです

ひで子さんは反対の理由として、再審請求審における証拠開示の範囲などを挙げた。ひで子さんは「今の法務省の方針だと巌は再審開始にならなかった」と述べ、現在の要綱案では冤罪被害者の救済が不十分であるとの認識を示した。

袴田事件と再審無罪の経緯

袴田巌さん(90)は、1966年に静岡県で発生した一家4人殺害事件で逮捕・起訴され、死刑が確定していた。2024年9月に再審無罪が確定し、約半世紀にわたる冤罪との闘いに終止符が打たれた。ひで子さんは弟の逮捕以来、再審請求の中心的な存在として活動を続けてきた。

再審制度改正をめぐる議論

法制審議会は2026年2月に再審制度の改正要綱を答申しており、検察に対する再審請求関連証拠の開示義務化などが盛り込まれた。一方、野党6党は法制審の案よりも踏み込んだ議員立法案を提出しており、証拠開示範囲の拡大や検察の不服申し立て禁止などを求めている。

現行の再審制度は規定がわずか19条にとどまり、詳細な手続規定がないことから「開かずの扉」と呼ばれてきた。袴田事件では最初の再審申し立てから決着まで43年を要しており、制度の不備が長期化を招いたとの指摘がある。ひで子さんの今回の意見表明は、当事者の立場から要綱案の問題点を訴えるものとなった。