2026/4/1
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国際

NASA、月周回基地「ゲートウェイ」凍結 200億ドル投じ月面基地建設へ

要約

NASAはアルテミス計画の中核だった月周回軌道ステーション構想を凍結し、今後7年間で約3兆1800億円を投じる月面基地の建設に舵を切った。火星探査も見据えた戦略的転換となる。

NASAアルテミス計画国際協力宇宙開発月面基地

月周回基地から月面基地へ、大幅な方針転換

米航空宇宙局(NASA)は3月24日、月周回軌道上に建設を予定していた宇宙ステーション「ゲートウェイ」の計画を凍結すると発表した。代わりに、持続的な月面活動を可能にする月面基地の建設を進める。今後7年間で200億ドル(約3兆1800億円)を投じる計画だ。

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※画像はイメージです

ゲートウェイは当初、2027年に打ち上げが予定されていた。月面探査の中継拠点として、米国、日本、カナダ、イタリアなど8カ国による国際協力のもとで開発が進められてきた。NASAは月面基地建設への転換を決断し、ゲートウェイ建設に向けて準備されていた設備は月面基地の建設に転用される。

トランプ大統領の宇宙政策が背景に

今回の方針転換の背景には、トランプ米大統領が2025年12月に署名した新たな宇宙政策の大統領令がある。月面基地の建設はこの大統領令に含まれており、火星探査も見据えた長期的な宇宙戦略の一環として位置づけられている。

NASAは持続的な月面活動の実現を目指すとしているが、月面基地の具体的な完成時期は明らかにされていない。

日本も国際協力の枠組みで参加継続へ

ゲートウェイ計画には日本を含む8カ国が2020年10月のアルテミス合意に基づき参加を表明していた。今回のゲートウェイ凍結に伴い、各国の役割は見直しを迫られるが、アルテミス合意そのものは維持される見通しとなっている。

日本(JAXA)が予定していた環境制御・生命維持システムやバッテリなどの居住機能や補給機による定期補給といった技術は、月面基地建設へ転用されると想定されている。JAXAの理事長は日本として月探査への取り組みを継続する姿勢を示している。