2026/4/1
nippon-post.com
社会

旭川いじめ訴訟が和解成立 市が賠償金7000万円支払いへ

要約

2021年に北海道旭川市で自殺した中学生・広瀬爽彩さんのいじめ訴訟で、市が7千万円を支払う和解が成立。再調査委による因果関係認定を背景に、遺族側は「勝訴的和解」と評価している。

いじめ自殺北海道損害賠償教育委員会裁判

旭川地裁で和解成立、市が7千万円支払い

北海道旭川市で2021年、いじめを受けた市立中学2年の広瀬爽彩さん(当時14歳)が自殺した問題で、遺族が市に約1億1千万円の損害賠償を求めた訴訟は2026年3月26日、旭川地裁で和解が成立した。市が賠償金7千万円を支払う内容で合意に至った。

Community gathering
※画像はイメージです

和解条項には、遺族側が市のいじめ再発防止に向けた取り組みを評価する内容も盛り込まれた。賠償金7千万円のうち3千万円は、日本スポーツ振興センター(JSC)の災害共済給付制度に基づく死亡見舞金が充当される。

「自己責任論は明確に退けられた」

遺族側弁護団の石田達也弁護士は、いじめ自殺を巡る訴訟の賠償金としては異例の高額だとし、「学校が認知を怠った責任の重大性と深刻な結果が反映され、『自殺は自分の意思だ』という自己責任論が明確に退けられたと言える。勝訴的和解だ」と強調した。

広瀬さんの母親は「二度と娘のような思いをする人がいなくなることを強く願っている」とコメントした。今津寛介市長は「ご遺族に心からおわびを申し上げます」と述べた。

再調査で因果関係認定、市が和解方針に転換

事件を巡っては、当初の第三者委員会がいじめと自殺の因果関係を「不明」と結論づけていた。遺族側の再調査要望を受けて設置された再調査委員会が2024年6月、いじめと自殺の因果関係を認める結果を公表した。

  1. 広瀬爽彩さんが自殺

    北海道旭川市の市立中学2年生、広瀬爽彩さん(当時14歳)がいじめを受けた末に自殺した。

  2. 再調査委が因果関係を認定

    当初の第三者委員会は因果関係を「不明」としていたが、再調査委がいじめと自殺の因果関係を認める結果を公表。因果関係の認定は訴訟の帰趨を左右する重要な要素となった。

  3. 遺族が旭川市を提訴

    遺族側が市に対して約1億1千万円の損害賠償を求め、旭川地裁に訴えを起こした。

  4. 旭川地裁で和解成立

    市が7千万円を支払う内容で和解が合意。裁判所から市の責任は免れないとの指摘を受け、市が和解方針に転じた。

訴訟の過程では、市は当初「自殺は予見できなかった」と主張していたが、裁判所から市の責任は免れないとの指摘を受け、和解方針に転じた経緯がある。提訴から約1年余りで和解に至った形だ。