2026/4/1
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国際

NATO年次報告書、国防費GDP比3.5%目標の達成はポーランドなど3カ国のみ

要約

NATOが2025年の年次報告書を発表し、2035年までのGDP比3.5%国防費目標の現時点での達成状況を公表。ロシアと近接するポーランドなど3カ国のみが達成した可能性がある。

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ポーランドなど3カ国が目標達成の可能性

NATO(北大西洋条約機構)は2026年3月26日、2025年の年次報告書を発表した。報告書によると、加盟32カ国のうち、ロシアと地理的に近いポーランドなど3カ国が2025年に国防費の増額目標を達成した可能性があることが明らかになった。

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※画像はイメージです

NATOは2025年の首脳会議で新たな国防費目標に合意しており、2035年までにGDP比3.5%を国防費に充当することを定めた。加えて、有事に必要なインフラやサイバー防衛関連を含む広義の安全保障についても、GDP比1.5%を充当する目標が設定されている。

新目標はGDP比3.5%と1.5%の二本柱

今回の新目標は、国防費そのものに加え、広義の安全保障関連支出を別枠で求める二本柱の構成となっている。従来のGDP比2%目標から大幅に引き上げられた形だ。

達成期限は2035年とされているが、現時点で3.5%の国防費目標を達成した可能性があるのはポーランドなど3カ国にとどまる。いずれもロシアとの地理的近接性を持つ国であり、安全保障上の緊迫度が支出増加の原動力となっている構図がうかがえる。

残る29カ国の対応が焦点に

32カ国中わずか3カ国という達成状況は、今後10年間で大多数の加盟国が国防費の大幅な積み増しを迫られることを意味する。ロシアによるウクライナ侵攻以降、欧州各国の安全保障認識は大きく変化しており、新目標への対応が各国の財政運営や同盟内の負担分担に影響を及ぼすことは避けられない。

  1. ウェールズ首脳会議

    クリミア併合を受けた転機。NATO加盟国がGDP比2%の国防費目標を設定。当時の達成国は米国・英国・ギリシャの3カ国のみだった。

  2. ロシアのウクライナ全面侵攻

    欧州の安全保障環境が激変し、NATO加盟国の国防費増額が加速する転機となった。

  3. NATO首脳会議で新目標合意

    GDP比3.5%(国防費)と1.5%(広義の安全保障)の新たな二本柱目標を設定。達成期限は2035年。

  4. 2025年年次報告書を発表

    新目標の3.5%達成はポーランドなど3カ国にとどまること、全加盟国が2%以上達成したことが判明。

NATO加盟国全体が新たな国防費目標にどのように取り組むか、今後の各国の予算編成と同盟内の議論が注目される。